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読了のおっさん12 血と灰の女王(バコハジメ/裏サンデー)

今日も、おっさんが全巻読んで面白かった漫画をご紹介です。
個人の感想であり、感じ方はそれぞれなれどご参考に。
概要的なネタバレは含みます。

血と灰の女王
(バコハジメ/裏サンデー)
2017年〜 既巻20巻 連載中

① タイプやテーマなど
 少年漫画、ダークファンタジー、現代日本、ヴァンパイア、理想の世界、支配者、バトル、能力、チームワーク、個性、狂気

② 簡単な内容
 富士山の噴火によって発生した火山灰を浴びてヴァンパイアになった主人公の物語。真祖と呼ばれる、富士山の火山灰を浴びる以前から存在する、有力なヴァンパイア達が、世界の覇権を巡って戦う事となり、主人公を含む、新たにヴァンパイアとなったもの達を傘下に従えながら、様々なバトルが繰り広げられる。
 やがて、主人公らは真祖の秘密、そしてヴァンパイア達の争いの核心へと近づいていく。

③ 読みどころ
 ヴァンパイアになったもの達は、曲者揃いで、とても仲間想いな人物、理想と現実に揺れる人物、政治屋、企業経営者、サイコパス、守銭奴、アイドルのような人物など多岐に渡る。各々の主義主張や想い、単純な快楽といった理由を背景に戦ったり、協力したり、迷い悩む姿が描かれており、バトルや駆け引きと同時に重厚なストーリー背景が溶け込んでいる。

 ヴァンパイアの持つ戦闘上の特技は個人個人で異なっており、電撃や高速移動、神技的剣技といったものがあり、バトルの際の相性や、チーム戦での協力や戦術が見どころの一つでもある。

④  雑多な感想
 物語では主人公も重要だが、真祖達の存在が無視できないと思う。真祖は支配者として君臨するために戦っており、各々に支配者らしい心情や理想を持っていて、そこが面白い。
 例えば、真祖の一人に政治家がいるのだが「公人として」という言葉が何度も出てくる。この言葉の持つ意味は「己を捨てている」「理想と現実の折り合い」「時に冷淡な決断」という意味も含まれていると思うが、本作品ではその描写がハッキリと描かれており、考えさせられる。
 真祖は現状のストーリーでは4人いるらしい。真祖以外のキャラクター達も非常に個性的で面白いが、真祖はまた、一段上に立つ存在の、精神としての怖さや途方もなさを持つ存在として描かれている。
 この真祖の描く理想に、そうでないヴァンパイア達は自分の理想を乗せて戦いや選択を繰り返して行くわけだが、そこがなんとも熱い人間ドラマである。

⑤ その他
 本作は裏サンデーと呼ばれるウェブ配信サービスによるコミックスで、リアルタイムでは紙面で楽しむことができない。おっさんは単行本が発売されてから紙面で楽しんでいるが、紙面をお勧めするところである。
 やっぱりバトルものであるので、紙面を大きく使った方が、状況把握や迫力を分理解しやすいように思う。

 ともあれ名作であることには変わらない。近年はウェブでしか出会えない作品も多く、メディアが偏っていると発見が遅れてしまうが、本作も、紙面派のおっさんからすればその一つかもしれない。

 

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