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彷徨うおっさん98 容器リサイクルについて思う事(3/3) ペットボトル回収機に思うゴミ事情の踏み込んだ広報の必要性

 前回は、プラスチック容器のリサイクルの是非と、焼却施設での苦慮について述べた。
 最終回の今回は、街で見かけるペットボトル回収機の役割について思う事と、容器回収にかかる私見のまとめを述べたい。

<ペットボトル回収機とその役割について>


 だんだんと話が大きくなってずれてきてしまったが、容器の話に戻すと、以下のような機械を街やスーパーでよく見かけないだろうか。

https://tc.tomra.co.jp/tomra-solutions/reverse-vending-machine/

 回収すると、その商業施設のポイントが付加されるといった仕組みになっており、おっさんも良く利用している。
 利用しているが、どうなんだろうという疑問は常に持っている。

 一応回収事業についてフォローしておくと、少なくとも以下の二点について意義はあると思っている。

① ポイ捨ての防止
② エコ意識の醸成

① ポイ捨ての防止
 投棄されたペットボトルが、いずれマイクロプラになることや、環境破壊につながる可能性を考えると、ポイント貰って確実に回収できることは一定のエコ上の意味があるとは思う。
 日本におけるペットボトルの見かけ上のリサイクル率は9割程度との試算もあるが、かくも非常によく回収されている。きっとポイントがもらえるという事で、ついでにごみ拾いなんかもしているのだろうと想像する(おっさんもそうなので)。
 故にポイ捨てが減った(或いはポイ捨てされても回収される)要因の一つが、この回収機とポイントシステムにあるようにおっさんは思っていて、その点では評価している。

 ただ、もうちょっと回収後の使われ方や処分、回収する意義について真実に近い広告や報道をして欲しいなとは思う。

② エコ意識の醸成
 良く考えてという前提だが、リサイクルしよう、持続可能な社会にしようという想い自体は否定すべきことではないように思う。意識の醸成は大事なことだ。
 そして、こうした回収機は子供が興味を持つような形状やデザインになっており、子供への教育という面では、非常に良いのではないだろうか。

 ただ、年齢を重ねるにつれてもっと事実を捉えるようにしないとならないとは思う。例えば、回収された後のペットボトルへの転用率は概ね15%であると言われている。残りはどこに行ったのかと言うと、衣料品や、PB以外のプラスチック製品になっているようだ。
 だが実態としては、燃料ペレットや、前述の燃料油精製装置で燃料になったものもかなりあるだろうとおっさんは考えている。

 折角エコ意識が醸成されたとしても、このように、実態としてどのようにリサイクルされ、その用途は、負荷は、コストは、そして実際にエコなんだろうかという疑問は常に持たなければならないと思う。

 ペットボトル回収機には画面が付いていて、ちょっとした動画が流れるものもある。また、真横には可愛らしいイラストが描かれているものもある。しかし、真実や学び、考察につながる情報があまりにも少ないように思う。

 ポイントは嬉しいが、回収機と回収機周りとで、もっとやれることがあるのではといつも思うのだ。

<結局容器リサイクルはどうあるべきか>


 ペットボトルについて言えば、述べてきたとおり、むしろどんどん燃えるごみとして捨ててしまった方が良いように思う。
 だが、そうは言っても浸透した分別の習慣と、回収機ポイントシステムによる、ポイ捨て防止、エコ意識醸成については、一定の効果があると思うので、全部を否定するつもりはない。
 とはいえ現状は煮詰まっていて、無考えのまま分別回収とリサイクルを訴えて騒ぐ人まで出てきている。そろそろ「ペットボトルやプラスチックごみは普通に燃やした方が良いです」「回収されているけども、実態としてはリサイクルは難しいので、みんなで良い方法を考えよう」といった真実に近い啓発にどんどん切り替えていったほうが良いように思う。そうでなければ進歩が無い。

 おっさんは現在、ポイント欲しさに、ごみ拾いまでしてペットボトルを集める一方で、燃えるゴミの日には、ごみ袋に平気でプラスチックを大量に入れている(東京は大丈夫)。
 今後も当面はこれがベストだと思っているし、どうしたら良いか訊かれたら、同様の方法を推奨している。エコエコ煽りすぎだが、もっと真実を皆が知り、考察すべきだとおっさんは思うのだ。

 本記事を通じて、容器リサイクルについて、多くの人がもっと実りある方向に考え方が変わることを願う。

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