孤独なグルメ『ファミレスのステーキセット』
失意の神戸、帰りの道のりハンドル重い。
新規取引の準備を進めていたのに、取引先から要件を満たせないので契約できないと連絡がきた。
だから大丈夫ですよと言われても半信半疑で何度か確認したのに。先方も落度を認めているがどうしようもできないとのこと。
そんな話を彼女に愚痴っていると、「そんな時は肉、肉。」あのファミレスが侮れないよと言われたので、ヤケ酒ならぬヤケ肉だ。
心なしか見慣れたファミレスが減ってきて、代わりにその店をよく見るようになったなと思っていたんだ。自宅近くにもあったしそこに行こう。
2時間ほど走ると時計は午後7時。平日とはいえディナータイムだから混んでいるかな。入口のドアを開けるとあっさり席に案内された。
ファミレス特有の大きなメニューを眺めながら、おすすめをいきたいところだが今日は厄払い。ちょっと値段は張るがヒレステーキとサラダバーつきのセットを頼む。
先にサラダバーのお皿を渡される。ここはサラダバーの上に液晶テレビが設置されており各野菜の産地が表示されている。ほとんど国産だが、たまに外国産があるのはご愛敬。
ライティング効果もあるだろうけど、野菜は全体的にみずみずしい印象。
盛り付けセンスはないし空腹を埋めるのが先。シーザードレッシングと粉チーズをたっぷりかけて着席。
シャキシャキ音がするみずみずしい新鮮な野菜。コーンはずっと立てて保存していたんじゃないかと思うくらい甘い。コーンスープも同じく甘い。ファミレスのサラダバーでこのクオリティはなかなかのものだ。
ご飯も魚沼産コシヒカリをかまどで炊いているそうだ。店舗によって若干差がでるかと思うが、そこらあたりの和食店よりクオリティが高いと思う美味しさ。
ヒレステーキがやってきた。醤油ベースのタレもあるけど、ここはやっぱりミルに入った三種類の塩だね。ファミレスのステーキってどこかB級感が漂うものだが、ここは高級とまでは言わないけど上品な感じ。とろけるとはいかないけど柔らかいし満足感が高くペロっと食べ終わる。
本来ならデザートで〆だけどサラダをお替り。平皿にコーンとポテトサラダを盛り合わせお腹いっぱい。
満ち足りた気分でお会計。
ファミレスが飽きられはじめた同じころに足が遠のいていたけど、このクオリティならこれからも選択肢としてありだな。
そう思いながらドライブにギアを入れた。
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