クマモトヨカバイ ファーストクロップ 火乃国

 先日、熊本県で繁養されているクマモトヨカバイとクマモトイケメンが種雄馬として登録された。クマモトヨカバイに関しては初産駒も登録された。
 今回はその初産駒である火乃国(ヒノクニ)の血統について解説してみる。

 まずは火乃国の毛色、特徴から。
 父のクマモトヨカバイ、母のさくらは共に青毛。火乃国自身も青毛であり両親と同じ毛色となった。
 特徴は大流星鼻梁小白と恐らく母のさくら(大流星鼻梁鼻大白上唇大白下唇白)に似たと思われる。

それでは、父と母の血統をそれぞれみてみる。
まずはクマモトヨカバイから。

父のシンザン竜と母の新梅姫は共に北海道で生産されている。
シンザン竜が釧路市阿寒生まれ、母の新梅姫が小清水町生まれ。
シンザン竜の祖父は帯広で生産されたトウカイシンザン(167戦18勝)。現在、別海町で種雄馬として活躍しているキタノキセキが代表産駒。シンザン竜の祖母イナノキャップのいとこにはエンジュオウカン、エンジュダイヤの母ラッキーホマレがいる。
新梅姫は繁殖馬として5歳の時に初産駒を新ひだか町で輩出している。それ以降は熊本で産駒を出している。父のシンカザンは競走馬としても活躍した。(189戦19勝)
牝系は特に活躍馬はいないが父と母共に民間で生産されたペルシュロン同士の配合でありある意味とても貴重な血統とも言えるだろう。

続いて母のさくら。

父がタカシマミライ(76戦9勝)、母が優影。実はこの2頭も北海道で生産されている。
父のタカシマミライが網走市、母の優影が本別町で生産されている。
祖父は言わずと知れたばんえい競馬で数々の重賞制覇をしたカネサブラック。(186戦72勝 重賞21勝)。3代目母のリキアサヒは重賞5勝したリキミドリ(80戦25勝)が代表産駒にいる。
母の優影は3歳の時から繁殖馬として活躍。初産駒から熊本で産駒を出している。
特に牝系での活躍馬はいないがは2代目父優熔はアルジャンノオーの母父でもある。
優影のいちばんの特徴としては父がペルシュロン、母がブルトンのF1であり、いわゆる異品種での配合による雑種強勢というもの。

クマモトヨカバイとさくらの血統を総合的にみると2代目の馬たちが4頭とも北海道で生産されており、血統的には競走馬としての資質というのかロマンみたいなものを感じる。(もちろん登録されるかはわからないが。)
また、ペルシュロン×日本輓系の掛け合わせであり雑種強勢の効果がどう出るか競走馬となればとても楽しみなところ。
また、食肉の面から考えても魅力的とも言えるだろうか。
配合的に馬体が大きく出やすいこと(肉面積が大きい)、また肉質が良い(わかりやすく言うと柔らかくなりやすい)のを考えるとどちらの面でもどうなるか気になるところ。
ただ、5代血統の中でばんえい競馬で活躍した馬がたくさん入っていることを考えるとどうしても競走馬としての登録を期待してしまう。
2年後の登録を気長に待つとしよう。

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