紺屋小町の月夜のこぼれ話
短い文章を書く練習のための日記
小学生の時、作文の宿題があった。 読書感想文だったか、遠足の思い出だったかは忘れてしまったけれど、ぼくは作文ではなく、自作の詩を書いて提出した。自分ではけっこういい詩が書けたと思っていた。なんなら先生に褒められて、みんなの前で発表することになったらどうしようくらい考えていた気もする。 作文が返ってきて先生が一人ずつ名前を呼んで取りに行く。ぼくの名前が呼ばれ、前まで取りに行くと先生は 「これ、なに?」 と言った。 半笑いだった。 ぼくは急に恥ずかしくなって奪うように
目を閉じて、遠くの緑を想像する。子どもの頃、視力が低下しないために遠くの緑を見るといいと教えられた。ただ、今は緑がないので、目を閉じて、想像する。 (だいたいわたしの想像する緑はトトロがオカリナを吹いてサツキとメイが揺れている) 移動中、スマホを眺めたり本を読んだりもしない。電車が目的の駅に着いたら目を開いて、歩きながらできるだけ遠くの文字を追う。少しでもピントを調整しておく。 年に一度の健康診断だった。ここ数年は同じクリニックで受けているので受付から着替え、検査までの
本棚の整理をしようしようしようしようと思っているうちに十一月になっている。じゃあ何月から本棚の整理をしたいと思っていたかというとそれはもう、本棚を購入した時から思っている。びっちりきっちりジャンルとか高さとか揃えて並べてる本棚凄すぎひん?どうやってんの? わしはネコメンタリーという作家さんの猫たちを紹介する番組が大好きなんだけど、猫の向こうに本棚が映るとめっちゃみてしまう。ほんで、ばらばらに並んでたり平積みどどどんみたいな本棚が映るとめっちゃうれしい。もちろんすんごいきれ
久しぶりに映画館で映画を観た。 『蒲団』 田山花袋の小説を現代の設定に置き換えた映画だった。わたしと田山花袋との出会いは、お笑い芸人のピース又吉直樹さんと音楽家の笹倉慎介さんが2022年に行ったライブで、又吉さんが選んだ二冊の小説をテーマに笹倉さんが曲を作るというものだった。その二冊のうちの一冊が田山花袋の「蒲団」(もう一冊は芥川龍之介の「蜜柑」)だった。又吉さんが小説のあらすじを簡単に説明すると、会場からはどよめき(ほぼ悲鳴)が起こった。それは「蒲団」の内容が 会場のど
2021年の中秋の名月からポッドキャスト『月夜のひとさじ』をはじめておよそ3年。使用しているアプリの録音機能がなくなるという不測の事態が起こった。 わたしは考えた。 これは、啓示かもしれない。 現在、わたしのポッドキャストは新月と満月に配信しているのでだいたい月に2回、内容はほぼピース又吉さんの話と朗読。毎回好き勝手に話して時間は三十分くらいにおさまるようにしている。しかし今年に入ってから、書くことにもう少し力を入れたいなと思うようになって、普段ポッドキャストで話している
ポッドキャスト#71🌕配信いたしました。 主な内容は ・豊洲で短歌のこと ・軽いノリノリのイルカ ・朗読『心願の国』原民喜 ・ネネの全面帯バージョン です。 よろしくお願いします📻
ポッドキャスト#70🌑配信いたしました。 主な内容は ・EURO2024 ・朗読 原民喜『心願の国』 ・短歌相談室 です。 よろしくお願いします📻
ポッドキャスト#69🌕配信いたしました。 主な内容は ・短歌アンソロジー『海のうた』 ・朗読 室生犀星『洋灯はくらいか明るいか』 ・又吉さんと吉村さん などです。 よろしくお願いします📻
ポッドキャスト#68🌑配信いたしました。 主な内容は ・ブランクーシ展@アーティゾン美術館 ・朗読 宮沢賢治「雁の童子」後半 ・又吉直樹さん 新潮120周年記念特大号 などです。 よろしくお願いします📻
東京でブランクーシ展に行き、白い犬のぬいぐるみを買って、駅の蕎麦屋に失敗したあと電車に乗って(ここまでが前回「東京にて」の話)そのまま横浜の山下公園へ向かった。その日はベルギービールウィークエンドという催しの初日で、それに参加するべく友人と待ち合わせをしていた。最寄り駅に着いてまず、白い犬を丁寧に梱包された袋から取り出し、カーディガンのポケットになおす。あとで友人に紹介するため。 おれはフェスとかが得意ではないのだけど、このベルギービールのイベントだけはほぼ毎年参加してい
ポッドキャスト#67🌕配信いたしました。 主な内容は ・アンソロジストvol.7に小説が… ・朗読『雁の童子』宮沢賢治 ・BRUTUS 又吉直樹さん です。 よろしくお願いします📻
東京駅八重洲口を出てすぐに 「東京好きだなー」 と、思った。東京駅周辺のかんじが好き。智恵子は東京に空が無いといふけれど、東京の空も悪くない。電線がないからなのか、歩いていて道も苦しくない。平日で、お昼時で、働いている人がたくさん歩いていた。おれは仕事を休んで美術館に行く。それは東京駅から徒歩5分ほどで行けるアーティゾン美術館というところで、昔はブリヂストン美術館という名前。 シュッとした美術館だ。 ブランクーシという彫刻家の展示を観た。たまらなく好きだった。美術の展示
ポッドキャスト#66🌑配信いたしました。 主な内容は ・朗読「プールのある家」最終話 ・あとは寝るだけの時間 ・通販はじめました。 などです。 よろしくお願いします📻
こんにちは。紺屋小町です。 これまで制作した、ミニ歌集、エッセイ、小説をBOOTHにて購入できるようになりました。 どうぞよろしくお願いします。
ポッドキャスト月夜のひとさじ配信いたしました。 主な内容は ・ダ・ヴィンチ「短歌ください」 ・朗読 山本周五郎「プールのある家」④ などです。 よろしくお願いします📻
背の高い本棚を設置したので、部屋で本を選んでいると本屋さんにいるような気分になる。ということに気がついてほわぁ〜ってなった。本て読む以外にも見る、並べる、選ぶ、触る、などのしあわせがあるね。