雑草という草はない(7)アメリカオニアザミ
ヨーロッパ原産らしいけど、和名にはなぜかアメリカという言葉が入っている。
私が雑草についていろいろ知るきっかけとなった愛読書の『校庭の雑草』(※)には出ておらず、『日本帰化植物写真図鑑』で調べて知ったのだと思う(私が持っているのは2011年の改定前の版)。
(※)ひとつ前の以下の記事参照。
いつから日本に入ってきたのだろうと改めて『日本帰化植物写真図鑑』で調べてみると、昭和20年代以降急速に分布を広げたとある。なるほど、アメリカの進駐軍とともに入ってきたのかな?すると名前の由来もしっくりくる。
アザミの花はどれも似た感じで私には区別がつかないが、このアメリカオニアザミの葉っぱはもう棘がすごくて、ちょっと触れるだけで猛烈に痛くて、一発でわかる。
どう?刺々しいでしょ。
この大盛り感がアメリカンで、このネーミング、けっこう気に入ってる。漢字で書くと亜米利加鬼薊だよ。鬼だよ、鬼。雰囲気出てるね。
これを撮ったのは明治神宮の代々木口を出てすぐ、代々木駅に向かう山手線の線路沿いに入ってすぐのところ。
住宅地でもけっこうそこらに生えてる。花は綺麗だしね。棘がすごいから、引っこ抜くのも大変だしね。
綿毛がまたアメリカンなサイズなんだよ。上から2番目の写真に写っているのわかるかな。葉と葉の間に止まってる。
この辺もそうだな。
初めて見たのはうちのまわり。もう15年以上前だよなと思って調べたら、記録が残っていた。なんと、21年前だった。
しかも最初に知ったのは新聞記事だったと判明。まだ『日本帰化植物写真図鑑』は買ってなかった(奥付が2005年6月19日第4刷)。
アメリカオニアザミが私は大好きみたいで、ブログ記事もいっぱい書いていること判明。
この過程で超ご無沙汰、超懐かしい人のブログに再会したので、あわせてリンクを張っておく。アメリカオニアザミのわかりやすい写真も多数。
見るのはほとんどアスファルトの隙間。『日本帰化植物写真図鑑』によると定着率は非常に低いらしい。だからこそ、アスファルトの隙間という植物にとっては非常に生育のしやすい環境でよく見るのだろう。ここ、重要ね。テストに出るよ!
大ヒットした岡本真夜の『TOMORROW』。
歌詞のあのフレーズに感動した人、私も含めて多数だけど、実はアスファルトの隙間は、植物にとって楽勝な環境だったんだな、発芽さえしちまえば。
それについて初めて知ったのはおそらく稲垣栄洋さんの本だろうな。彼の本はいろいろ出ているので、どの本だったかはもう忘れたけど。植物にいまいち興味が持てない人は、彼の本を読んでみるのがおすすめ。
アスファルトの隙間がなんで有利かは、またどこかでね。宿題にしようか。