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女にしか言われたことのない言葉
男に言われことはないと思う。今後もないと思う。強いて言えば、ひとつだけ場面が浮かぶけど。
女にしか言われたことのない言葉。
「そこは、ごめん、でしょ」
「そこは、ありがとう、でしょ」
ごめんとありがとうを強要されると無性に腹が立つ。苛立つ。
しかしなんでそんなに頭にくるんだろう、こういうときって何かコンプレックスと関係あるはず…とちょっと冷静になって考えてみる。
最初は、女の村社会の中の言葉、仲間内だけの共感だけの会話、それがいやなのかと思った。
まあ、モテるためなら、後天的な学習によって、意識的にそれを駆使することもできなくはないんだけど。無意識レベルじゃないので活動限界はある。ましてや肝心かなめの咄嗟になんて使えやしない。
あの女のうわべだけの共感合戦はうんざりする。
それだ!と気づく。
うわべだけじゃなく、もっと深いところまで掘り下げてほしい。
それだ。
なぜ素直にごめんと言えないのか、なぜありがとうと言えないのか、言わないのか、
そこまでもっと深く自分のことを知ってほしい、対処療法的な、その場の気持ちだけを優先したやり取りでなく、もっと根本的な本質的なところまで突っ込んでほしい。どういう過程を経て、そんな発言になったのか、いっしょに考えてほしい。深掘りしてほしい。
そんな魂の叫びなのだ。
まあ、そんなの日常的にはできないわな。
自分にとってどうでもいい人はともかく、自分にとって大切な人には、わかってほしい。
ごめんね。ありがとう。愛してる。
愛してるって、女からも言われたことないことに気づき、言いようのない寂寥感に心が覆われている。
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