虫嫌いを克服させる千本ノック 79本目 コアシナガバチ(小脚長蜂)護られなかった者たち
図書館からの帰りのA川沿い。自転車をこいでいたら、アスファルトの上にアシナガバチの巣が落っこちているのを発見!
300mmレンズをつけたままでまずは撮る。
マクロレンズがカバンの中に入っているが、寒いし、交換も面倒だし、家まですぐなので左手に巣を持ち、右手で自転車を引っ張っていくことにした。
こういうとき折り畳み自転車だと軽くて良い。その分かごがないんだけどね。
マクロレンズで撮るのは自宅の駐車スペースでやればよいなと。育たなかった幼虫や蛹が見られるかもしれないし。
数分で家に着く。あいにく駐車スペースはもうすべて日影。まだ14時半にもなっていないのだが。冬至も近く太陽高度も低いのですぐ日影になる。
庭のガラス戸側、ペットボトルの箱買いなどが積み上げられているところがかろうじて日なたをキープ。
まずは手のひらの上で転がす。いや、転がる。
巣は2つに割れている。小さい方に柄がついていて、ここから巣は始まっている。大きい方は増築分だ。
強いてくっつければこんな感じだが、これですべてではなさそう。
色が違いすぎる。まだこの間の部分があるのだろう。
まあ、現場にはこの2つしかなかった。
巣が落ちていたのは、今までも何度も写真を撮っているデュランタのあるおうちの前なので、なにか剪定しているときに落ちたのだと思う。
気持ち悪くてこれだけ放置したとかね。間の部分は知らずに切り落とした枝葉といっしょに処分していたとか。
上のツイートはオマケだが、ちょうど2ヶ月前だ。
さて、ここからだ。
コアシナガバチの巣は、うちの庭でも作っていたことあるし、私の自転車の前輪に作られてこともある(それぞれのリンク先も是非ご覧下さい)。
特別珍しいものでもないが、この残骸の中に何か掘り出し物ないかなと。
よーく見ると、はっけん!
なんか隠れていて奥ゆかしいと思ってしまうけど、立派な?死体。
なんで出てこられなかったんだろうね。
出しましたよ。
不器用な手先で、パルプ状のまだ覆いかぶさっている蓋をカリカリしながら。
なんかミイラを発掘する気持ちにも。
背中側が撮れない。くるんとこういう姿勢になってしまう。
がんばった。
よし、サイズを測ろう!としたら、目の前の草むらに落ちてしまい、ロスと。この下を探すのはちょっと無理だわ。
やむなく、巣の大きさからサイズを推定。
10数mmってとこかね。
未練たらたらで先ほどのハッチアウトできなかった成虫(といっていいのか?まあ蛹ではないし)が落ちたあたりをやっぱりついのぞき込む。
やっぱり無理だわ。そこの写真は撮らなかったけど。
かくなる上は、もう一回巣を見て、蓋の開いてない穴がないか探す。
あったよ、ひとつだけ。
世界に一つだけの蓋♪って歌いそうになったよ(ウソです)。
すぐカリカリやっちゃって、それ撮っておくの忘れた💦
蓋取れたけど、
触角持ってちゃった!?
そして、
なんかめっちゃ可愛いんですけど~~~~~。
触角ないからか?
さらに巣の解体作業、ミイラ取り出し作業は続く。
ひゃあ、やっぱりなんか可愛いんですけど~~~。小首傾げちゃって。
完全にやっと取り出せた。
やっぱりくるん。そうそう、この解体工事は屋上でやりました。もうどんどん日影になって寒いってのもある。
屋上ももう水平な床の部分はほぼすべて日影になってるけど。
バッチリ今度はサイズ測定。
なんとか背中側も。
くるん。
ああ、
切断してしまった。
実物触ればわかるけど、巣全体も蜂本体もめちゃくちゃ軽いんだよ。そして脆い。あ、巣は力のかかる方向で違うけど。
最後の方は、標本作る人ってすごいなあとただただ感心しながら、なんとか翅を広げて背中側の模様をしかと見たいと思っていた。
やっぱりコアシナガバチだな。
最初、巣が落ちているのを見たとき、大きい方が反り気味だったので、確かコアシナガバチの巣は大きくなっていくとそうだったよなと。
サイズ的に似ているキボシアシナガバチの巣は蓋が黄色いので違うし。
完全に成虫になり切っていないからなのか、実はオスだからなのか、若干模様が見慣れたコアシナガバチと違うけど、フタモンアシナガバチでは断じてないので、消去法で言ってもコアシナガバチだ。
アシナガバチの巣は再利用されることはないので、もしも見つけたら、ぜひいろいろいじってみてください。この時期は来春に巣をつくる女王バチたちはどこかで越冬していて、他は死滅しているから。
最後まで読んでくれてありがとう。
タイトルはもちろん、以下の書籍から取っています。