『○○大全』という本をよく見る
『独学大全』
はじめて本屋で見て衝撃を受けたのは、『独学大全』である。三省堂だった。あの分厚い本が平積みになっていた。いやでも目に入った。
なんじゃこりゃ、と。
手に取ってみたら、けっこう読みやすい。これならイケるかな、と。著者が読書猿。え?
その後、買いましたよ。
ちょっと読みましたよ。ええ。上の写真はさっき撮ったもの。
積読団地1号棟にあります。あ、1号棟はほとんど読んでいるので、念のため。
『独学大全』はね、ええ、まあ、そのうちね、鈍器本と言われているようだから、鈍器として活用を…いや、何でもない。
『健康になる技術大全』
冗談はさておき、今読んでいるのは『健康になる技術大全』。これはね、イケる。
読みやすい。そして何よりエビデンス重視。さらに、そもそもエビデンスとは何か、その「重み」についての説明から説き起こしている。
これがたった2,000円(税抜き)とか、あらためて現代の日本の本の価格はおかしい、安すぎると感じる。健康を害したら、2,000円なんて、あっという間に飛ぶからね。
注目は、食に関するページ数が一番多いこと。
背景を可愛くしたので、本が小さくなったが、本の背表紙の反対側、なんていうのかな、そこの水色部分、一番幅のあるところが「第4章 食事」。
著者が女の人であり、さらにその母親が料理教室をやっているというのも無関係ではないとは思うが、この充実ぶりは素晴らしい。
私はまだお米のところを読んで、野菜・果物のところをほんの少し読んだだけだが。
少しでも気になるならば、Amazonに飛んで目次でも見てみてくれ。
なぜ今『○○大全』なのか
本が売れなくなったとはよく言われていることではあるが、中でも雑誌の売り上げがの落ち込みが激しいというネット記事を読んだことがある。これはわかる気がする。
それに対して『○○大全』という類のものは、ネットで作ろうとしたら、膨大な労力がかかるだろう。いやもちろん、本でも膨大な労力がかかっていると思うのだが、ネットでそれをやっても労力に見合うリターンが得にくいだろう。なんせネットは、有料記事もあるとはいえ、無料であるお手軽さこそ最大の長所だと思うからだ。
『○○大全』は一般的な雑誌とは正反対と言えるだろう。薄くはなくて、分厚い。内容にスピード感はないが安定感がある。連載はされないが、最初からまとまっている。断片的ではなく体系的に知識が得られる。
出版社も生き残りをかけて必死。売れてなんぼだからね。
だから、分厚くても、とても読みやすい文章にもなっている。
分厚いのに読みやすい。そういう本を作らないと、結局売れないからね。
雑誌の正反対を行く、『○○大全』。いつまで続くかな?
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