友人の商売
僕は基本的にBtoBの仕事をメインに働いているのですが、自営業をしていることもあって周りには自分の商売をしている友達がたくさんいます。
生活の中でその友達のお店を利用することもよくあります。
美容師、歯医者、ブドウ農家、整骨院、保険屋
出身が大阪府の柏原市というところでぶどうが名産です。
夏前にはデラウェアが出始め盆過ぎにかけて大粒のぶどうが人気です。
昔から夏には誰かから頂いたぶどうがあって、正直あまり好きではありませんでした。
ですが、大人になって地元の友達が家業のブドウ農家を継いだので、初めてぶどうを買いに行ったのですがあまりに美味しく驚いたのを覚えています。
それからは毎年、自分用と贈答用で10万円近く使ってしまいます。
ここで少し考えてみてほしいことがあるのですが
皆さんは友達のお店での友人価格についてどう思いますか?
僕は過去の失敗から否定派なんです。
それこそ、歯医者や保険屋の友達には割引なんて存在しないですが
美容師やぶどう、整骨院は最初「お金いらないよ」と言われました。
確かに共通の友達の中には
「タダで良いって言われてるのになんでお金はらうん?」
って聞かれることもあります。
僕が友達のお店で正規料金を払う理由は3つです
理由①行けなくなった
中学時代パン屋の息子と友達でした。
てりやきチキンパンが凄く美味しくて好きだったのですが
母と買いに行った時にレジで
「いつもありがとう!タダでいいから持って帰って!よく来てくれはるの、お母さんやったんやー!」と。
元々は母と友達の母が顔見知りではなかったので、買い物ついでに母がパンを買って来てくれていたのですが、それからは行くたびにお金を受け取ってくれませんでした。
そうなってくると、高いパンが食べたくても申し訳なくて選べなくなって
結果的にお店にも行きづらくなって、てりやきチキンパンを食べられる機会を僕は失いました。
理由②停学になった
次は高校の頃に友達の姉が美容師でした。
僕の高校は私服校で基本的には校則はなく自由でした。
だからといって奇抜な髪型の生徒もいませんでした。
僕はオシャレに無頓着でゴリゴリの体育会系バスケ部だったので
この友人の姉の実験台になっていました。
タダで髪の毛を切ってくれるので、親には美容室代としてお金をもらって
くすねていました。笑
毎回、髪の毛の色が変わり伸ばしたり刈り上げたり好き放題で僕も楽しんでいたのですがある日
「パーマあてよう!」と
そうなんです。何故か校則でパーマは禁止だったのです。
それを伝えようと思っても今まで散々タダで切ってもらって
パーマの練習がしたいと言ってるのを拒否するのも申し訳なくてOKしました。
今まで先生も何も言って無かったし大丈夫だろうと。
そんなこともなく次の日校門で停学を言い渡され帰るはめに。
理由③ごみ
仕事の関係で月極ガレージを契約しているのですが、ある日近所のおばさんに「棚いる?」と声をかけられました。
倉庫として使っている面もあったので凄く丁度いいサイズの棚でありがたくいただくことになりました。
ですがこれが始まりで、事あるごとに不用品を押し付けられるようになりました。ひどいときにはシャッターの前に置いていかれることもあり結果ゴミの処理費用が余裕で最初にもらった棚の値段を超えることに。
つまり
基本的には僕が断るのが苦手なのが原因でもあるのですが
まず、友人だろうとお金を払わなかったら出てくる弊害が
・行きにくくなる
・注文をつけにくくなる
・恩を押し付けられる
こんな感じです。
はじめはこの3つの理由から知り合いだろうが友人だろうが正規料金を支払うようになったのですが、本当に割引してもらうよりも幸福度が増しました。
ブドウ農家の友達のブドウが本当に美味しいと思うから毎年買いに行くわけで、美容師や整骨院の友人の腕を信頼しているので、その感謝に正規料金を払う。
仮に不満があれば伝える。
これが友達として対等なのかなと僕は考えます。
余談ですが
損をするのが怖いという心理はプロスペクト理論といいます。
人は得することよりも損したくないと考える性質が合って、今回の話に照らし合わせると友人価格で提供する側にもデメリットが起こりうるということです。
例えば自分がパン屋をしていて、友人には半額にすると決めていたとします。ですが経営状況が悪くなったとき友人からも正規料金を取ろうとすると
友人からすると突然値段が倍になるので損した気持ちになり、来なくなります。本当は今までがお得だっただけなのに。
得している感情は薄れやすく、損したと思うといきなり嫌な感情が襲ってくるのでその波を作らない為にも友人価格は辞めたほうが賢明でしょう。
経験則の話なので、もちろん別の考えを持っている人もいると思います。
プロスペクト理論でいうところの損が何なのかによっても結果は変わるので難しいですが。
以上僕が友人にも正規料金を支払う理由でした。
こんた
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