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たとえ資本主義でも手触りの温かい社会を生きたい。「世界は贈与ででいている」を読んで。

おはようございます。毎日投稿68日目です。
今日は読書録です。

この本は、facebookで社会派な友人が何人か推薦したり、この本をテーマに読書会を開いているのをみて、関心を持ったのでした。

帯の推薦文にも惹かれました。

公務員をしていて、「贈与」という単語は、例えば賄賂みたいな、悪いイメージを想像しがちです。

この本で書かれている「贈与」は、贈り物全般。

例えば、サンタクロースのプレゼントから、年賀状や手紙、子どもを世話する親の行為・愛、家族の体調を気遣う気持ち、身近なところでいえば子どもの交通安全当番みたいなボランティア活動。
さらには、もし、気づくことができなたなら、平穏で危険の少なく快適な毎日を過ごせていることができていることも、先人たちからの贈り物。

各章ごとに例え話を多く引用していて、「話がこんなに飛ぶの!?」とも思ったり。でも、その多くが、見事に伏線として回収されていて、「なるほど、そーゆーことね」と腹落ちさせてくれる構成も爽快でした。

腑に落ちたポイントでは、
自分の貢献に対して、見返りを求めないのが「贈与」、自分の貢献が他の誰かへ循環していくのが「贈与」。
一方で、自分の貢献に対して、「で、あなたは何をしてくれるの?」と対価を求めるのは「交換」。という話。

きっと私たちの生きている社会のいろんなことが贈与になるのだけど、それは私自身が気づくかどうか。
自分自身に常識があって想像力を働かされるかどうか。それにかかっているということでした。

今、こうやって電車のなかで、noteを書けていることも、誰かが働いているからできること。
乗車料金は払っているのだけど、毎日安心して乗れていることにそれ以上の価値を感じられて、支えてくれている人への感謝を感じられます。

資本主義社会は、全てに価値づけをして交換させていく。より多くのものをサービス化していく。
そんななかで、対価を受け取る「交換」ではない贈与のやりとりを、資本主義のスキマを埋める行為、と表現されていました。
この本を読むと、そんな温かい世の中と出会い直せる視点に気づかせてくれます。

こないだ書いた↓の話も、この本を読んだから気づけた視点だし、小1の壁に前向きに対応できるような気分にさせてくれたのでした。

無機質でない、温かみのある社会を感じ取る力を授けてくれる1冊でした。



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