るり

生きることは、よく食べること|宮城県仙台市在住|キナリ杯「ウルトラハッピーラブファミリー賞」受賞

るり

生きることは、よく食べること|宮城県仙台市在住|キナリ杯「ウルトラハッピーラブファミリー賞」受賞

最近の記事

人生、アイドルがいるから

もうすぐ、映画『あの頃』が上映される。 劔樹人さんのコミックエッセイ『あの頃。 男子かしまし物語』を原作に、ハロオタたちの物語を描いた作品だ。 あなたにとって、アイドルとはなんですか? 私にとってアイドルとは、「人生を一緒に生きる存在」だ。 嵐やモーニング娘。がステージでパフォーマンスをする。それだけでいい。 誇張とかなく、本当にそれだけでいい。 そのパフォーマンスそのものが私の人生の支えになっている。 小学生のとき、モーニング娘。に加護亜依ちゃんが加入した。 テ

    • こんなにうまいビールがあるか

      大好きな人と再会をしたときの話をしたい。 その人は同じ会社ではないものの、何年も現場をご一緒した男性だ。 四年振りだった。 最後に会ったのは、私がうつ病真っただ中のとき。 その人は、豪快で、甲斐性があって、途方もなく愛に溢れていて、選ぶ言葉が繊細で、よく「善悪とかどうでもいいから、みんな笑顔でいなきゃいけないよ」と口にする。会った日も似たようなことを言っていた。敵も多ければ、味方も多い。そんな人。いつも半パンで、サングラスをかけているもじゃもじゃ頭の長身だ。 うつ病にな

      • 自分と出会う話

        自分の容姿が好きではない。 一般的にも下の上、大目に見ても中の下とかそのくらいだと思う。 でも美容サロンに行くのは好きだ。 形として残らないものにお金を使う行為をもったいないと思う人もいて当然なのだけれど、私はエステやネイルやまつげエクステやヘッドスパや腸揉みが好きだ。他にもある。沢山ある。年がら年中ホットペッパービューティーを見ている。 なぜ、そこまで好きなんだろう。 施術が終わって鏡を見たときに、その先の自分に出会えたような気分になる。 そもそも美容サロンに行くよ

        • キナリ杯はラブレターとなって

          岸田奈美さん主催の『キナリ杯』受賞作品が電子書籍として出版されました。おめでたい! 受賞作品なんとなんと50作、、、! すべての作品が宝石のように、いろんな角度からいろんな色に光っている気がします。 50作を読み終えたあとは画面の中の黄色い表紙が宝石箱のように見えました。 信じられないことに、こんな素敵な本の中に私の作品も載せていただいています。 自分の文章が書籍になるなんて、予想もしない未来でした。 気構えずにたくさんの人に手にとってもらいたい!というのが率直な気持

          イヤホン握りしめてこれからもあなたと越えていくんだ

          キミの夢が叶うのは誰かのおかげじゃないぜ 風の強い日を選んで歩いてきた 25歳のとき、うつ病になった。 何ら変わりのない朝、ベッドから起き上がることができなかった。 その何週間か前、なんとなく自分に違和感を感じて心療内科を受診していたので、幸い行く当てはあった。先生に「これはうつ“状態”ですね」とすでに診断を受けて投薬治療は重ねていたが、そもそも限界が近かったのだろう。 いつもなら自宅を出発する時間だ。 あっという間に、10分、20分、始業時間が迫っていく。 ああ、会

          イヤホン握りしめてこれからもあなたと越えていくんだ

          幸せになるんだぞ

          キナリ杯、まさかまさかの結果だった。 shin5さん特別リスペクトの『ウルトラハッピーラブファミリー』賞(とにかく名前がいい)。 本当に、ありがとうございます。 そうそうたる応募者の中で選ばれたこと。 たくさんの方に読んでいただけたこと。 一夜明けた今になってもまだ嘘のようです。 夫も今回応募をしていたのですが、自分のことのようによろこんでくれました。キナリ杯を教えてくれたのも夫でした。 会社帰りに合流して、スシローで踊り食いました。たぶん、実際に踊っていたと思います。

          幸せになるんだぞ

          母の二度目の結婚相手は、一度目に結婚した父でした

          母は、離婚から10年後に再婚した。 一度別れた父と、二人で婚姻届を持って。 私が中学生の頃、両親は離婚した。 父が多額の借金を背負ってしまったので、やむを得ず離婚せざるを得なかった。 それでもひとつ屋根の下に何も変わらず一緒に住んでいたので、私と弟は離婚してから数ヶ月後に初めて母から言われて知ったのであった。 家を手放すことになって、父とは別々に暮らすことになった。 会うのも一ヶ月に数度ほど。父のゆったりとした空気が私は大好きだったので、顔を見せに来るたびに「学校まで送っ

          母の二度目の結婚相手は、一度目に結婚した父でした

          縁結びの神様から会いにくることだってある

          「ねえ、なんか空気悪くない?」 私の母は、『目に見えないものが見える人』だ。 伊達一族の末裔に憑かれて一週間ほど吐き続けていたり、近所にいる霊感の強い知り合いと喧嘩になって結界を張られたり(その人の自宅に近づくことができないらしい)、数え切れない本数のエピソードがある。我が母ながら現実離れしすぎて面白い。結界張られるって漫画でしか見たことないぞ。なんだそれ。 気が触れているだけだ、と思ったことも何度もあったけれど考えば考えるほど嘘なわけがない。 「ほら、神様が来ているよ

          縁結びの神様から会いにくることだってある