アオーレ長岡が素晴らしい件
長岡市は人口26万人の新潟県第二の都市です。アオーレ長岡はその長岡市街地ど真ん中に建つシティホール。2012年の開館以降、シティホールの先駆的事例として注目されていて多くの視察団が訪れているようです。先月視察しまして、なるほどこれは凄いと感動したので、この建築の巧みな設計コンセプトについて解説していきます。設計は隈研吾建築設計事務所。長岡駅直結でアクセス至便でございます。
内外を反転
まず敷地の周りをぐるっと回ってみたのですが、四方がガッツリ建物に囲まれており外観がみえにくい環境であるのが見て取れました。おしゃれな造形で外観をデザインしたとてみえにくいわけで設計には厳しい条件です。
そこで、アモーレ長岡は内外を反転させ、内側の空間にリソースを集中し、外観のない建築にする方針を取っています。この郊外の倉庫のような外観、あからさまにコストカットし印象を与えない意図が伝わります(個人的にはこのいい意味で手を抜いた外観は萌えポイントでした)。
中庭が主役
主役の内側ですが、ナカドマと呼ばれている大きな屋根付きの吹き抜け空間を中心にして、3棟(東棟・西棟・アリーナ棟)を配置しています。東棟と西棟には市役所窓口、市議会議場、市民交流施設など、アリーナ棟は大きな体育館みたいなホールでライブやBリーグのバスケの試合などイベントが行えるようです。中心駅であることに加え、色々なイベントが催されており、立ち寄る機会はかなり多いのでは。
敷地はかなり広いのですが、圧迫感、箱モノ感をまったく感じません。小さい3棟の上に大きな透明な屋根がかかっている(太陽光発電パネルも貼られているらしい)シンプルな構成に見えますが、棟が透明で中の人のアクティビティが見えたり、千鳥格子のスギの木組みが奥行きをバラして配置されていたりと複雑な印象になっていて、つい奥の様子をみたくなり中に入ってしまいそう。
特徴的な木組み。よく見ると、大きさやマージンがバラバラ!このアバウトさはあえてやってるはず。親しみやすいシティホールに印象付けたかったのだろう。
Bリーグの新潟アルビレックスBBの本拠地でもあるようです。駅直結でバスケ観戦できるのって素晴らしすぎますね。
まとめ
従来の役所のイメージを覆し、市のスタッフと市民の交流を促し活動を増やしたい、という意図が見事に建築や家具、サイン、動線計画に落ちていて見事でした。建築学会の賞を受賞していたり、視察の数が日本有数だったりするのも頷けます。
上越新幹線に乗る機会がある方はぜひ長岡駅に立ち寄り、2010年代の名建築を堪能してみては!
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