VOL.2 月寒のあんぱん
母が生協でよく買ってきてくれる、月寒のあんドーナツ。原材料がわりとシンプルで乳製品を摂らないことにしている私も、これは大好き。しかし普通にお店では売っていないし、もっぱら母が持ってきてくれる楽しみなお菓子のひとつになっている。
先日、流産が発覚してから母がうちに来たので仕方なく打ち明けると、母も流産したことがあるという話だった。その日は姪っこや甥っ子もきてにぎやかだったのでその場ではほとんど話ができなかったが、その日の晩に電話で聞いてみると、私と3つ下の妹との間で流産したとのこと。当時は、流産したら残留物を子宮の内部から掻きだす(この表現が良くないと思う、いかにも痛そうだ)のは当たり前だったようで、実際に母もそれを行い、その結果わりとすぐに、妹を妊娠したのだそうだ。これからその手術をしなくてはいけないかもしれない、と様子見状態に置かれている私にとっては、少しほっとする話だった。妹は元気に育ったわけだから。
その手術をするかどうかは、お医者さんの考え方にもよるようだ。なるべくなんでも自然がいい、と思いがちな私は、手術せずに、体から不要になったものは自然に出てくるのを待てばいい、と考えていた。インターネットで調べてみたら、わりと、手術してから間をおかず無事また妊娠し出産した、という投稿が多数みつかり、やっぱりしたほうがいいかな。とも悩んでいたところだった。
母が、月寒のドーナツでなくて、今回はあんぱんを持ってきた。ひとつずつ袋に入っていてなんかありがたい感じである。明日病院へ行ってみて、まだ妊娠反応が高かった場合、手術しましょうといわれるだろう。そうしたら、手術をして、おわったら、このあんぱんを食べよう。それを楽しみにして手術を受けてみよう。よし、心は決まった。
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