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不妊治療の話 #5

ただ私がねじ曲がってしまったという話。です。

詳しくは書かないが
なんとかここまで辿り着いた……と思えるところまできた。

……と投稿するつもりで下書き保存していたが辿り着けなかった。悲しみ。

前から読んでる人がいたらご存知の通り、夫と私は簡単にここまで(どこだよ)きたわけではない。
そりゃあ不妊治療って上を見ても下を見てもキリがないものだから、もっとずっと辛い思いをして泣く日々を乗り越えてきた人もいるだろうと思う。
それでも叶わない人もいる。

そんな人たちから比べたら我々夫婦のレベルなんて全然、本当全っ然なのかもしれない。でも時間もお金も心もたくさん浪費してきた自負はある。
浪費、という言葉は、ちょっとアレですね、ちょっとアレだけど、結局自分の体のせいで実ってこなかったからそういう気持ち。
だから私は本来は「わー!」とか「きゃあ!」と嬉々とするはずの夢の二本線を見た時も全然喜べなかった。淡々と、とても冷静なものだった。
代わりに夫と母に喜んでもらった。
赤ちゃんには申し訳ないが、不安しかなかったし、私は自分のポンコツな体を信じてなかったし。
いつ浮かれていいのかわからないな、と言っているうちに悲しみに辿り着いたのだった。

某芸能人が発しただけでなく、不妊治療を始めると本当によく聞く「赤ちゃんは諦めた頃にやってくる」みたいなやつ。
あんなの全然なかった。都市伝説も良いところだし、軽々しく言う人に対して少し身構えてしまう。
父に一度そう言われてほとんど泣きながら「そんなもんだったらみんな諦めるでしょう!」と反論した。父はもちろん悪気はないし、気休めのつもりで言ってくれたのだろうが、ナーバスだった私はそんな生温い優しさ受け取れるわけもなかった。

諦めなかったから、泣いてもがいてきたから、なんとかここまで来れたんだよこっちは!というやり場のない怒りを持つ人も一定数いると思う。
きっと私だけではないはず。
たしかにインフルエンサーのような方たちが自らの弱さや本来ナイーブな内容である治療について不特定多数の人に発信する事で救われる人もたくさんいるだろう。
何も否定はしない。それだってとても大事なことだと思う。

そして実際、諦めた途端、みたいな人が多いのも事実なのだろう。
ただそんな夢みたいな奇跡が私には起こってこなかった悔しさややるせなさを思春期の子どもみたいにずっと引きずっているだけなのである。

ただ私がねじ曲がってしまったというだけの話である。

おわり。

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