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選択的・例外的夫婦別姓について(その1)

※一度ではまとめきれないので、少々辛抱して数回お付き合いください。

先日、河野大臣のこのような発言が注目されました。

>「さまざまな価値観があって意見が一つにまとまらないものが結構ある。選択的夫婦別姓もそうだ」

>「国会で党議拘束を外して議員が思うところを述べて議論する、決をとることがあってもいい」

一方で、このようなニュースも…

なぜ、夫婦別姓問題は賛成派・反対派の激しい対立を招くのでしょうか。

選択的夫婦別姓や例外的夫婦別姓の基本的なことについては法務省のページに詳しくまとまっているのでそちらを参照ください。

まず、大前提として、私としては、この問題はもう既に結婚している方々の意見というよりはこれから結婚する若い世代の意見がより尊重されるべきだと思っています。

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1 なぜ夫婦別姓を望む人がいるのか

(先程の法務省のページより) 夫婦が必ず同じ氏を名乗ることとしている現在の夫婦同氏制度の下では,夫婦の一方は結婚のときに必ず氏を変えなければならないことになります。ところが,結婚のときに夫婦の一方が必ず氏を変えなければならないことによって,(1)代々受け継がれてきた氏を大切にしたいという感情を持つ人が増えていることから,一人っ子同士の結婚のような場合に,氏を変えることが事実上結婚の障害となったり,(2)結婚に際して氏を変えることによって,本人の同一性が確認できなくなり,職業生活上不利益を被るといった事態などが生じています。

このような事情で事実婚を選ぶ人が増えるのは良くないことだと思います。

2 反対派の意見

この請願で挙げられている3つの理由を考えてみましょう。

(1)「夫婦同姓制度は、夫婦でありながら妻が夫の氏を名乗れない別姓制度よりも、より絆の深い一体感ある夫婦関係、家族関係を築くことのできる制度である。日本では、夫婦同姓は、普通のこととして、何も疑問を覚えるようなことはなく、何の不都合も感じない家族制度である。」

疑問を覚えたり、不都合を感じている人がいるからこその問題提起なのではないですか?この世論調査の結果を見てみてください。

>婚姻前から仕事をしていた人が、婚姻によって名字(姓)を変えると、仕事の上で何らかの不便を生ずることがあると思うか聞いたところ、「何らかの不便を生ずることがあると思う」と答えた者の割合が46.7%、「何らの不便も生じないと思う」と答えた者の割合が50.7%となっている。

>年齢別に見ると、「何らかの不便を生ずることがあると思う」と答えた者の割合は18~29歳から50歳代で、「何らの不便も生じないと思う」と答えた者の割合は60歳代、70歳以上で、それぞれ高くなっている。

つまり、仕事をしている世代では特にですが、不便を感じている人もたくさんいることは明らかなのです。

(2)「選択的だから別姓にしたい少数者の意思を尊重するために選択的夫婦別姓制度を導入してもいいのではないかという意見があるが、この制度を導入することは、一般大衆が持つ氏や婚姻に関する習慣、社会制度自体を危うくする。別姓を望む者は、家族や親族という共同体を尊重することよりも個人の嗜好や都合を優先する思想を持っているので、この制度を導入することにより、このような個人主義的な思想を持つ者を社会や政府が公認したようなことになる。」

ここが残念ながら私の理解が全く及ばない範囲です。

>「家族の名字(姓)が違っても、家族の一体感(きずな)には影響がないと思う」と答えた者の割合が64.3%

政治家の方々はこのような世間一般の認識をご存知なのでしょうか?

(3)「選択的夫婦別姓制度導入論者は、夫婦の都合は述べるが、子供の都合については何も考慮に入れていない。一体感を持つ強い絆のある家庭に、健全な心を持つ子供が育つものであり、家族がバラバラの姓であることは、家族の一体感を失う。子供の心の健全な成長のことを考えたとき、夫婦・家族が一体感を持つ同一の姓であることがいいということは言うまでもない。」

一体感を〜というかくだりは価値観の問題なのでさておき(前述の2、の項目を参照ください)、子供に関しては色々と意見が分かれますね。

>いろいろな考え方がありますが,平成8年の法制審議会の答申では,婚姻の際に,あらかじめ子どもが名乗るべき氏を決めておくという考え方が採用されており,子どもが複数いるときは,子どもは全員同じ氏を名乗ることとされています。(法務省HP)

野党、立憲民主党案では、子供の姓は出生・婚姻時に決定となっています。

子供は成人したら姓の変更可能なので、子供を尊重していない、という批判にはいずれにせよ当たらなさそうです。

(その2に続く)


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