Internal の仕事に大切なことは何か
内勤の仕事・渉外の仕事
今日は Internal の仕事の話です。「Internal の仕事」をうまく表現する日本語がわからないのでここでは内勤と呼ぶことにします。
内勤の仕事ってたくさんありますよね。カスタマーサポート、渉外担当のサポート、Internal プロセスの改善、オペレーションの構築、システム構築など、数えればきりがありません。
僕はかつて Google に Solution Consultant (事実上のオペレーション コンサルタント) として雇われ、今は一応シニア アナリストの肩書きを頂いています。これはどちらも内勤の仕事で、社外の人と直接やりとりをする機会はそんなに多くありません。つまり僕のメインの仕事は、社内のオペレーション構築や、渉外担当者のサポートをすることで、いわゆる、便利屋なんでも屋、として仕事をしています。
Google には渉外の仕事もいろいろあって、もちろんいわゆる B2B の渉外交渉がメインですが、Google 特有なのは政府渉外担当なんてポジションもあることです。この人たちと協力して日本のインターネットをより良いものにするのが僕の仕事です。
内勤と渉外の軋轢
最近ネットで見かける内勤と渉外担当のトラブルの代表的なものとして:
「営業が勝手に顧客に無茶な構築をコミットしてきた」
「営業が超安価で案件を取ってきた」
「仕事を取ってきてるのは営業なんだから内勤は言われた通りやれ」
なんてのを見ますよね。これは社内で外向き社員と内向き社員 align できていない時に起こる現象だと思いますが、非常に無駄な軋轢ですね。社内でこういう要らぬ戦いをしているのはホントに嘆かわしいです。MBA の Case Study にこういうのありそうですよね(いや、こんなことしてるのは日本だけか…?)。この要らぬ軋轢を解消するのはマネージャー層の仕事なので今回は触れません。今日僕が書きたいのは、IC (Individual Contributor = 管理職でない一般社員) 同士がこういった軋轢や戦いをどうやって乗り越えるかという話です。
Internal の仕事に大切なことは何か
僕が日々感じている大事なことは3つです。
渉外交渉担当に、正しいサポートチャンネルを教育すること
渉外交渉担当が外向けにコミットして良いことを、事前に align しておくこと
ビジネスと内勤のバランスを理解すること
一つずつ話していきましょう。
1. 渉外交渉担当に、正しいサポートチャンネルを教育すること
渉外担当者はとにかく忙しいのです。なので、例えば「このサポートの担当は xx さんだったよね!とりあえずメールするからどうしたらいいかすぐ教えて!お客さん困ってるからなる早で頼むよ!」ということが毎日のように起きます。このプロセスの問題点は、scalability と sustainability にあります。つまり、xx さんが休みだったり、退職した時は機能しないのです。(ベンチャーで人が全く足りてない場合は別ですが)Google 規模の会社には、しっかりとサポートチームが存在します。渉外交渉担当はこういったサポートチャンネルを頭に叩き込んで、必要なサポートをスピーディーに受ける必要があります。内勤の担当者の仕事は、渉外担当にこれらサポートチャンネルをしっかり教育することです。「自分に直接メールされてもサポートできませんよ〜」というように、やんわりジワジワと社員を教育していくのです。もちろんサポートチームの範囲を超える例外ケースもあるでしょうから、そういう時だけ内勤担当者が出張れば良いのです。渉外担当の expectation management は非常に大切です。
2. 渉外交渉担当が外向けにコミットして良いことを、事前に align しておくこと
これはビジネスの基本なので言うまでもないですが、internal でしっかり alignment を取っておくことが大事ですよね。渉外担当者も人間ですから、Internal の「出来ること・出来ないこと」は言われれば理解できます。もちろん、不確かなことを勝手にコミットする渉外担当は論外です。必ず「持ち帰って確認して折り返します」と言える渉外交渉担当になりましょう。
3. ビジネスと内勤のバランスを理解すること
さて、これが僕がこの記事で最も伝えたかったことです。これは僕がまだ新人の頃やらかした大失敗なのですが、当時の僕は「内勤には内勤のルールがある。ルールはルールなので、誰であっても例外なく絶対に守らないといけない!」という激しい思い込みがありました。この思い込みで大失敗したんです。海外の渉外担当者と大揉めして大喧嘩、結果僕がヒートアップしすぎて多方面からクソほど怒られるという悲しい事件を起こしてしまいました。
この事件から僕が学んだことは「あぁ、バランスって大事なんだな 」ということです。基本的に白黒キッチリしていることが好きな性格なので、ルールを曲げるのとか大嫌いなんですね。ただ、ビジネスの世界ではそうはいかない。時にはルールを曲げることも必要だし、嘘も方便なこともあります。渉外担当はパートナーと良好な関係を築き、結果的にお金を生み出すのが仕事です。対して、僕は彼らをサポートすることが仕事とはいえ、ルールには従わなければなりません。ただ、ある程度のバランスは許容できるマインドセットが必要です。例えば僕の場合、「わかりました、それはルールに反しますが、ビジネスの都合もあるでしょうから、2週間だけサポートをいたします。その間に、次にどうこの問題を解決するか、ステークホルダーで話し合いをしましょう」と、提案する力が必要なのです。これは新人の僕にはかなり衝撃でしたが、社会人としての maturity を上げるとはこういうことなのかもしれないなと実感した事件でした。
まとめ
過ぎたるは及ばざるが如し。ルールにガチガチに縛られて、それを他人に押し付けているうちはまだまだ未熟です。大切なのはバランス。多少時間はかかってもいいから、正しいことを正しい方法で行う事が大事。みんなで相談して、コンセンサスを取ってから物事を進めましょう。
ところで、いきなり採用面接の話をしますが、これはエントリーレベルから中堅 IC レベルの採用面接では絶対使ったほうがいい考え方だと思いますので、皆さん是非面接で使ってみてください。バランスを取ってビジネスと内勤をできる人材は貴重です。
では、また次の記事でお会いしましょう。お付き合いいただきありがとうございました。
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