石焼ビビンバ
アフリカで働く友人から、メッセージが届いた。カンボジアで一緒に働いていたこともある、もう20年近い付き合いだ。彼女は、
『彼女の亡夫は自分の親友だった。だから彼女と近づいているお前が嫌いだった。でも今は、お前が来ることになったから親友は行かなければならなかったと分かった』
という映画の一節を引用して、
「今は、なぜ彼がいなくならなければいけなかったか、という問いが頭から離れないかもしれない。しかし、きっとひょんな形でその答えが見つかる瞬間があるのではないか」
と言う。一瞬、ドキッとした。これは、誰か現れるということ?
いやいや、そうじゃない。(私、相当疲れているな、、、)彼女は急逝した友人のことを言ったのだから。
疲れると、弱いところにあらわれる。
頭痛が耐えられないほどひどくなり、途中で仕事をあきらめて、カイロプラクティックを予約、施術を受けた。まだすっきりしない。
美味しいものを食べようと決心して、店に入る。店内にお客さんは一人もいない。石焼ビビンバを注文した。
しばらくして、注文をとりに来てくれた人ではなく、厨房の中から石焼ビビンバを持った人が来て、「混ぜますか?」と聞いてくれた。「お願いします」と答えると、
とても丁寧に卵とビビンバの具を混ぜ始めた。それから、石焼釜に沿ってゆっくりお焦げをひっくり返す。石焼のところがいい具合に焦げている。何回かひっくり返した後、全体を混ぜ始めた。ここで初めて、ご飯と具とお焦げが混ぜ合わされた。熱いビビンバをふーふーしながら食べる。本当に美味しかった。
心の底から温まった。いつの間にか、お店にはお客さんがもうひと組。良かった。明日もがんばろう。
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