下流域への正しい落とし方:自治体版(経験からのあくまでフィクション)
登場人物→Aさん(生活保護受給者、障害あり、県を越えて市の正式な認可と引越費用を負担してもらい転出したばかり)
不動産会社B(実質的な社員一人、代表取締役のみ、県から居住支援法人の指定を受けている)
福祉事務所C(その地域を管轄する生活保護に関する事務所)
その他(転出元の自治体と手続きに関わった訪問看護などの関係者)
これから書くことはあくまで経験に基づいてはいるが内容はあくまでフィクションであり、実際の名称は全て架空のものとする。
なぜ私がわざわざこれを書くに至ったかの経緯については読者の想像にお任せするところである。
強いて言うならばこういった可能性を含む事例が発生することに強い警鐘を鳴らすものである。
Aさんは障害を持ちながらでも、柔軟な働き方ができれば社会復帰ができると目標を立て、転出元の自治体に転居を申し出た。
転居元の自治体はそれを受け、引越に係る費用を負担する形で受理。Aさんの目標を叶える為の引っ越しがはじまった。
Aさんは精神的な障害と先天性の軽度*の身体的障害を持っており、それゆえに転居に関わる手続きの一部を転出元の自治体と訪問看護に手伝ってもらい、さらにその一部は代行*してもらった。
*この注釈付きの軽度とは、先天性であったものが長い年月を経て快方へ向かったという意味での軽度であり、社会的な経済活動を行うにあたって副次的に残ってしまった二次的な弊害は依然として残ったままである
*この注釈付きの代行とは、不動産会社と訪問看護の2者間、もしくは転出元の自治体と不動産の2者間だけのやり取りの事であり、そこにAは関与することはできなかったものとする
Aさんは周りの支援者と協力しながら、不動産会社Bに依頼をして転居先を相談し、その具体的な手続きの一部を訪問看護に代行*してもらいながら、転居先のマンションの一室を紹介してもらった。
そこに住む為のマイナンバーカードや障害者手帳、生活保護受給証をスマートフォンのカメラで撮影したものの提出を不動産会社Bに求められたので、提出した。
数日後、不動産会社BからAさんは「ネットオタク」「何でも人様にやってもらうな」という何のことなのか意味がわからない批判を電話越しにされ、不信感を抱いた。
その後すぐに、このことを代行*中である訪問看護に伝え、不安感と共に本当にこのまま手続きを進めていいものか相談した。
訪問看護からの返事はこのようなものだった。
「Aさんこんにちは。
思う所数多くあるかとは思います。
Aさんの考えを否定も肯定もしませんが、意見、考えが違う人とも適度な距離感で接していく必要があると思います。
特に今はみんなでAさんの転居先への移住
を第一に考えて動いています。
これまでAさんが不当な扱いを受けてきた過去もお話しの中でお聞きし少しかとは思いますが、理解はしていると思います。
ただ、Aさんにご理解いただきたいのは、Aさんのこれからに向けての支援をしている段階ですので、みんなで協力をしていきたいので、Aさんも思う所あるかとは思いますが、ご協力をお願いします」
という内容だった為、Aさんは不安感を抱きながらも信じることにした。この間、手続きへの介在は許されなかった。
不動産会社Bは賃貸契約書を転出元の自治体の福祉課と交わしており、Aさんにはスマートフォンで受け取った入居先のデータしか届かなかった。不安感を抱きながらも、いちいち介在する訳にもいかず、Aさんは転出届を出し、住所を転出先のマンションに正式に移行した。
長くなるので何回かの記事に分けて投稿をします。しばらくお待ち下さい。
©心瑠華 へべれけ