丸くなるヤンキーと車高
久しぶりに友達の車に乗った。
確か10年前に乗った時は車高がとても低く、坂道ばかりの長崎ではわざわざルートを迂回していた。
車はメーカーがつくった形が一番いい、と私は思っていたが、彼らにとっては乗り心地だとか色々あるらしい。
あれから10年。肝心の車高は、まだ低い。前よりも少し高くなった気はしたが、聞いてみたらサスペンションをスポーツカーのものに替えたのだという。
今は造船業に携わっているその友達に、ここ10年どうだったか話を聞いてみたが、海外に行った私と地元に残った彼とはお互いに想像できないくらい両極端な20代だったようで、久しぶりにお腹の底から笑った。
ヤンキーというのは基本会ってから人を判断する。人見知りしない割に仲間意識があり、新しい技術は知っている人の家まで行って聞く、みたいな柔軟さと、分かるまで聞くある種のしつこさを兼ね備えている。
一昔前は「車高の低さは知能の低さ」という言葉があった。学歴と素行のことだ。
しかし、こうして10年経ってみると、大体みんなヤンキーな感じは否めないけれど人と関わることに関する態度というか、作法をよく知っている。私は海外まで行ったのに結局似た事を学んできたかのようだ。
人は本当に見かけによらないなと、そんなお話だ。
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