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ゆきむしのよさ(とよくなさ)
こんにちは。
此島このもです。
あれは先週のこと。散歩しているときに今シーズン初の雪虫を見ました。
雪虫とは、身体に雪のようにふわふわの綿をくっつけた小さな羽虫です。
ふわふわふらふらただよう姿は本当に雪のよう。秋が深まってくるととすわ初雪かと見間違えてしまうこともしばしば。
雪虫を発見する時はいつも、白いふわふわが頼りなく風にただよう姿がまず目に入り、一拍おくれて虫本体の黒い色が見えてきて「ああ雪虫だ」と認識します。
ああ、白く儚い雪の妖精よ
❄️
金木犀の見られない北海道で秋、というかいっそ初冬、を教えてくれる風物詩の雪虫。
私もいくつか雪虫に関わる思い出を持っています。
あれは小学生の頃……
寒くても外で元気いっぱい遊んだ私が家に帰って鼻をかむと、鼻水に混じって黒く出てきた雪虫……
あれは中学生の頃……
学校帰りの坂道を下っていたら、いつのまにかあたりは雪虫だらけ。
鼻にインした雪虫を思い出しうげーとなりながら両手を顔の横で振り回した。雪虫が顔に当たらないよう歩いていたら、いつの間にか大量の雪虫が雪に変わっていた、狐に化かされたような思い出……
(うちの地元は狐だらけでした)
あれは大学生の頃……
自転車を乗り回し学業やサークル活動に勤しんだ私たちの、コートの胸元にくっついた大量の雪虫たち……
(自転車で猛スピードを出すと道々の雪虫を轢いてしまいそういうことになります)
つまりね、雪虫って名前や姿形は風流ですけれど、地元の人にとってはそんな良くないよねって言いたいんですよ!
おそらくこれを読んでいる北海道民のあなたにも雪虫の嫌な思い出のひとつやふたつあることでしょう。
でもね、私は思うんですよ。
きっとここから先の人生で雪虫の見られない地域に引っ越したり、気候変動などで北海道から雪虫が消えてしまったりしても嬉しくはないんだろうなって。
きっと懐かしくまた会いたい生き物として雪虫を思うんだと思います。
まるで腐れ縁の幼馴染みたいですね。
なんだかんだ言って私は雪虫が好きなんでしょう。