精神科医がみる炎炎ノ消防隊

今回は、超人気アニメ、炎炎ノ消防隊。

今、シーズン2まで放送されていて、次作が待ち遠しい人もたくさんいらっしゃると思います。私もその一人です!

内容は…とある大災害をきっかけに焔ビトと呼ばれる人間が自然発火してしまう現象が起きる。一度焔ビトになると、人間には戻ることができず、あたりを焼き尽くしてしまう。そこで現れたのが特殊消防隊。この焔ビト化の原因究明と消火のために日々働く彼らの先に待っているものは?!

みたいな感じです。

面白いのは、特殊消防隊のほとんどの人が、火を操れる能力があり、その能力によって活動しているということ。”火は火で治まる”は悪い意味の言葉ですが、(野火が燃え広がるのを防ぐためには、周囲を火で焼き払うのが効果的であるように、悪を防ぐためには悪を用いるとうまくいくというたとえ。類語:毒を以て毒を制する)この物語は、火の力で、火の悪さを治めていくという内容です。

この”火”って私はメンタルとも関連できるのではないかと思いました。生きている誰しもが火を発する可能性を持っている。私たちも誰しもがメンタルというものを持っています。しかし、それをうまく自分でコントロールできる人と、そうでない人がいる。スポーツメンタルというと、かなりの頻度で”試合前の緊張感をコントロールするには?”といった内容の質問を受けます。ですので、今回はこの例で考えてみましょう。試合前や日常生活、例えば、大事なプレゼンの前に緊張したことのある方は多くいると思います。これは、

脳内が(できなかったらどうしよう、失敗したら怒られる…)

とできない自分を勝手に想像してしまうために起こっていることが多いです。こう考えると、あとは大変。どんどんこの考えが暴走していき、あーもう失敗する、と考え、頭の中は真っ白、体はガチガチ…。

実際、緊張している時というのは、筋肉が固縮してしまうので、科学的にも体はガチガチになっています。

そんな状態で本番に行ったら、失敗する可能性は当たり前ですよね。これ、炎炎ノ消防隊で考えると、火を自分でコントロールできていない様子。ですから、自分が焼かれてしまう、そして周りにも着火するという最悪のケースになってしまいます。

試合で考えると、一人がメンタルのコントロールができていないと、周りが引きずられることは珍しくありません。

なぜなら日本人は空気を読むことが大変うまいから。そして人間は、プラスの感情よりもマイナスの感情の方が伝わりやすくなっているからです。

そこで、特殊消防隊を見てみましょう。火がコントロールできている人たちは、その日によって問題を解決していきますよね。使っているのは同じ火のはずです。

メンタルで考えてみると、これもコントロールができている人は、これが武器に変わってくる。よく”いい緊張感をもて”と言いますが、悪い緊張感はコントロールできず、どんどんマイナスにメンタルが持っていかれること。いい緊張感は、それを自分の高揚感とし、試合のワクワクに持っていくこと。そのためには、今自分が何ができるのか、自分のメンタル(火)の状態を把握して、どう使えばいいのかわかっていることが重要です。

メンタルも、この人同様、良くも悪くも働く、それはメンタル(火)を自分のものにしてコントロール可能かどうかです。

さらに特殊消防隊は、コントロールの仕方も人それぞれです。自分の持っている能力によって使い方が違います。これもメンタルと同じ。

人それぞれメンタルが違うのは当たり前です。目の前の敵(焔ビト)も色々いるし、どう戦うかは人それぞれ。ですから、メンタルについてもどうコントロールするかは人それぞれでいいのです。長谷部選手の「心を整える」という本で、選手は2種類いて、前々から自分の気持ちをあげていく人と、直前にあげる人がいる、と言っていました。選手だって、あげるタイミング、あげる方法、あげた完成系は人それぞれ違います。当たり前です。人間が違うので。ですから、皆さんも人それぞれでいい。共通することは、

メンタルを自分かだらこそ自分でコントロールできるものだと自覚し、まず今のメンタルをしっかり把握すること

早く、第三シーズン始まりますように!


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