005 モーツァルト『コシ・ファン・トゥッテ』
私がオペラを聞き始めたのは小学校低学年の頃。買い与えられたモーツァルトの「魔笛」のビデオを妹と2人で見ながら、キラキラした舞台、のたうつ大蛇、美しいドレスに魅入られていました。そしてその観客席には重厚な赤いビロードのカーテンの付いた部屋が何段も連なって、着飾った人々が同じく舞台に見入っている。
けれども歌は、それらを凌駕して私を夢中にさせました。
パミーナの悲しげで美しい歌、可愛らしさそのもののパパゲーナの歌、見事に調和した三重唱を繰り広げる3人の女たち、そして何と言っても夜