林真理子さんの魅力って?
6か月にわたる全40回ほどの編集ライター養成講座が1月に終わった。
全40回の中で、もっとも印象的だった講師は、光文社取締役の大給(おぎゅう) 近憲氏だ。雑誌の編集・企画の中で、現場の声を聞くことがどれだけ大切であるかを教わった。
「ユーザは自分のインサイト(欲求)を表現することができるとは限らない。こちら(編集・企画側)が引き出さなければ。」
と話されていた。彼が編集者時代、雑誌で紹介した「ルクレーゼ」や「桃屋の食べるラー油」はなぜ読者の心をつかだのかを語っていただいた。
講義前、「光文社」の方が来る!とウキウキしていた私。なぜなら、光文社が出版している女性誌の「STORY」や「VERY」を愛読しているからである。
「STORY」には、林真理子さんのエッセイが毎月載っている。ペラペラめくるファッションページと違って、1ページが文字で埋め尽くされているが、私は毎月ここのページだけは髪の毛を乾かしながらも読むようにしている。読みごたえがあるし、裏切らないから。
そのエッセイがまとまった本『女はいつも四十雀(しじゅうから)』を読んだ。
どうしてこんなに林さんの文は面白いんだろうと考えると、
①「こういうことって、あるあるー!」という共感
②新しいことを教えてくれる ← 「なるほど感」
が多いから。
①の共感では、
「自分個人の楽しく生きる人生と、子供を見守る人生とを両立させるのは、なんと難しいことであろうか。それは裕福な専業主婦なら出来る。時間配分がうまくいくからだ」
そうそう!まさに私がいま悩んでいることを表現してくれてるじゃん!
共働きって大変!身だしなみに気を遣って、いきいきと働いて、だが、子供を第一に考えている母親が理想だけど、やっぱり大変だよね。
②の「なるほど感」では、目次の紹介になるが、
「疲れたらマッサージに行くように、家事はプロに頼むべし。夫婦も家庭もうまくいくから」
「常識の先に品は生まれる。おしゃれだって、人生だって同じこと」
そぉかー。40代になったら私も気をつけよう、こういうことを胸に留めておこうという気持ちになる。
本を読むと、林さんは教養があって、お金をジャンジャン使って、人とのつながりを大切にされていることがよくわかる。
下着、バッグ、時計、宝石に至るまで、ブランドのことをよく知っている。
この本を読み終わったあと、育休中なので保育園のお迎えには、いつも10年着古したダウンコートで行っていたが、この日はFOXEYのコートを着ていった。
なんだか晴れ晴れしかった。心がすっきりしていた。
読んだ人をactionにまでもっていける人こそ、本物の書き手だとつくづく思う。
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