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『珠玉の西洋絵画展』を観に行った【感想文】
《特別展 珠玉の西洋絵画:モネ・ルノワール・ピカソ-和泉市久保惣記念美術館所蔵品展-》
ということで、中之島香雪美術館に行ってきました。初めて訪ねる美術館です。お世話になります。
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エドガー・ドガのファンなもので、彼の作品が展示されるとなれば足を運ぶと決めています。
先だっても京橋の山王美術館の『印象派展』で《身じたくする女性 woman at her toilet 》などを観てきたところ。
今回の展示作の《踊り子》は扇面画となっており、ドガ自家薬籠中モチーフのバレリーナの少女の群れが扇形の画面に描かれていました。
ジャポニズム好きの印象派の画家と、印象派好きの日本人って幸せなマッチングだと思うのです。
横長扇形の画面を、左から右へと目で追って行くとストーリー性の有る画面になって、少女たちがキャッキャ言いながら駆け出して行く様子を想像しました。
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ロダンのブロンズ像《永遠の青春》の組んずほぐれつ具合いを微笑ましく眺め、ルオーの《女ピエロ》のエキゾチックな美女に魅了され、藤田嗣治の《眠る猫》には相変わらず癒され、マティスのステンシル作品に図工の授業を思い出しました。
そして、シャガール。
シャガールと言えば、まず、ジッタリンジンが出てくる訳ですが、その例のフレーズを口ずさみながら観ていた《サーカス 28》と《家族の団欒》に既視感を覚えて、それは、さくらももこさんの絵なのでした。『コジコジ』の世界観に通じるものを感じました。
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美術館自体がこじんまりと落ちついた雰囲気で、居心地の良い空間。
展示作品数は30点弱と小規模ながら、充足感のある展覧会でした。
いやむしろ。展示数が少ないからこそ、ひとつ一つの作品にゆっくりと時間をかけて向き合うことができたのかも知れないなーと、思う次第でありました。