レッドカードとイエローカード
歌会から帰ってくるといろんなことを考える。歌そのものについてもそうだし、参加者との対話についても反芻する。最近また司会進行を承るようになった。いろんな人がいて、いろんな考え方があって、人と話すのは本当に面白いなと思う。
帰宅後はくたびれて大体頭か首が痛い。人に相対する時の過緊張と痛みは「わたしのもの」で、おそらくこれからも付き合ってゆくことになるだろう。それでも状況が許す限り、司会はやってみたい。
わたしは歌に対して欲が深い。当該の歌について知りたい、聞きたい、話したいことがありすぎて、その方向に対話が進んでくれないと耐えられないのだ。歌会の場で世間話をするのは時間の無駄だし、かといって「短歌とはこうあるべき」といった大きな話になっても収拾がつかない。大したことはできないが、軌道修正の声かけならできる。
歌会を始める前に、ファシリテーターに赤い折り紙と黄色い折り紙を預ける。イエローカードとレッドカードだ。司会が感情的になり過ぎた時ファシリテーターに制止してもらうためのものだ。かつて参加者に対して攻撃的な態度をとってしまったことがあったので、自戒のためにそうしている。参加者にも「わたしが過激な発言をしたらこれで止めてもらいますから」と宣言してある。そんなものを利用している歌会は聞いたことがないが、対人関係において歪みの出やすい自分が複数人と円滑に対話を続けるための工夫として取り入れてみた。ひとつの安全装置である。参加者に安心していてもらいたいのと同時に、わたしが真剣だということも伝わればありがたいなと思っている。
まだ数回の司会担当だが、今のところまだカードは使われていない。