昼休みの過ごし方

いくつかの企業や団体でパートタイマーとして働いてきたが、どこにいた時も、昼休みの過ごし方が難しかった。工場で働いていた時は、チャイムが鳴ったら一斉に昼休みで、社員もパートも全員が一緒に過ごしていた。その後何年か働いた団体でも昼休みは必ず全員で過ごす決まりだった。業務時間より休憩時間の方が苦しく思える場面もあった。人に囲まれて、世間話に笑顔でそつなく相槌をうつのがつらいのだ。上司の弁当箱をきれいに洗い、食後の珈琲を差し出しながら、ちっとも休まらない休憩って一体何なんだと思うことも度々あった。
現在の職場は電話や来客対応の都合で適宜交代で休憩をとっている。もともとそういうスタイルだったところへ、新型コロナの流行を経てますます「個食」ルールが強くなったらしい。人によっては味気ないと感じるかもしれないが、わたしはここに来てやっと気が楽になった。弁当を使ってから、誰もいない空き部屋で、立ったままできるストレッチや、ヨガの三日月のポーズ、甩手、八段錦のうちどれかひとつを試してみたりする。業務中はパソコンの画面に向かって心身共に緊張しているので、身体を動かして身体の側からゆるめてやりたい。ちょっとでもゆるめておけば痛みを先延ばししたり軽減させたりできるかもしれない。理屈としてはそんなところだが、単純に、それをすると気分がいいからやっている。自分が本当にしたいことのために休憩時間を使えるのは、実に気分がいい。
今は暑いし蚊が飛んでいるので外には出られないが、秋が深まってきたらエントランスの広いところへ出て、外気の中で二十四式をしたい。涼しくなるのが楽しみだ。

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