ジェニーナ・フィッシャー著『サバイバーとセラピストのためのトラウマ変容ワークブック トラウマの生ける遺産を変容させる』を読む(2)
ベッセル・ヴァン・デア・コーク(2014)は、トラウマ治療のためのシンプルな処方箋を与えてくれています。回復とは、「自分のこころと身体の所有権を再び確立する」プロセスである(p203)として、その目標に向けた4段階を挙げています。
1 冷静になり、集中する方法を見つける
2 過去を思い起こさせるようなこと(トリガー)があっても、平静を保つことを学ぶ
3 現在を生き、周囲の人々と交流する方法を見つけること
4 自分がなんとか生き延びてきた術についての秘密も含め、自分自身に秘密を持つ必要がないことを知ること
自分にとって、1は、やはり書くことだろうか。2は目下の課題。そして、3についても困難を感じている。こどもの頃からずっと、対人関係については悩み続けてきた。誰かと親しくなると、(きっともうすぐ愛想をつかされて距離を置かれるだろう)と思い、その親しさから逃げ出そうとしてしまう。親しくなり過ぎることが怖ろしいのだ。わたしがダメな、頭のおかしい人間だということを見抜かれてしまうことへの恐怖が、今も抜きがたくある。悲しく、苦しい。もう少しこころを開いて、肩の力を抜いて、気楽にひとと付き合えたらいいのに。
自分の行動様式が歪であることを、わたしは自分自身に許してやりたいと思う。わたしは成育歴の中で、生き延びるためにさまざまなやり方を身につけてきた。それらは確かに歪で、常軌を逸していたことだろう。でもそれらのおかげでここまで来ることができたのだ。