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師走便り

日暮れがずいぶん早くなりました。
夕暮れはもう
秋の情熱を放ってしまい
淡く儚い夢のような色合いです。
山茶花の花が次々開いているのを
あなたはもう見つけましたか。
垣根が珍しくなってしまった今
歌にあるような景色は
見かけなくなりました。
モノトーンの季節に
色を添えてくれる山茶花は
椿と並んで
無邪気な少女のようでもあります。
これから冬至に向かって
星の瞬く空が近くなります。
冬は
さみしさを連れてくるけれど
そのぶんだけ優しさに敏感になります。
火を灯すようにして
あたたかなやさしい想いを
静かに燃やし続けていきたいものですね。


写真:魚住心

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石川真理子
みなさまからいただくサポートは、主に史料や文献の購入、史跡や人物の取材の際に大切に使わせていただき、素晴らしい日本の歴史と伝統の継承に尽力いたします。