日暮れがずいぶん早くなりました。
夕暮れはもう
秋の情熱を放ってしまい
淡く儚い夢のような色合いです。
山茶花の花が次々開いているのを
あなたはもう見つけましたか。
垣根が珍しくなってしまった今
歌にあるような景色は
見かけなくなりました。
モノトーンの季節に
色を添えてくれる山茶花は
椿と並んで
無邪気な少女のようでもあります。
これから冬至に向かって
星の瞬く空が近くなります。
冬は
さみしさを連れてくるけれど
そのぶんだけ優しさに敏感になります。
火を灯すようにして
あたたかなやさしい想いを
静かに燃やし続けていきたいものですね。
写真:魚住心