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超情報化社会を生きるために

意識的個性の消滅、感情や観念の同一方向への転換、これは、組織されつつある群衆に見られる最初の特徴ではあるが、多数の個人が同一場所に同時に存在せねばならぬことを必ずしも意味しない。離ればなれになっている数千の個人でも、あるときには、例えば国家の大事件のような、ある強烈な感動を受けると、心理的群衆の性質を具えることがある。そのときたまたま個人が集合しさえすれば、ただちに彼らの行動は、群衆の行為に特有な形式をおびるであろう。

『群集心理』ギュースターヴ・ル・ボン

超情報化社会を迎えた今、
群衆はいとも簡単に形成され
一瞬にして社会に強い影響を及ぼすだけの力を得ます。
あまり良い言葉ではありませんが、
集団ヒステリーは極簡単に起きるのです。
そんな時代に生きる上で
最も重要なのは「冷静さ」です。
あるいは、「迎合しない強さ」ともいえます。
自らの判断で選択することを
自分との約束に出来たとき
突風に吹き飛ばされないだけの腹ができるでしょう。
その時、個人は自由を手に入れるのです。

写真:魚住心 Leica filmcamera


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石川真理子
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