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黄金の秋

風が起きるたび波打つ稲穂に
朝露を抱いて金色に光るたわわな実りに
古代の人々が神を見いだしたのは
澄んだ心に真理を映していたからでしょう。
春のはじまり、夏の盛り
祈りつつ過ごしてきた季節は今
黄金の秋
豊かな実りは分かち合うことで
より以上の豊かさを共有することができ
奪い合うことは
とてつもない損失へとつながっていく
それを理解していたというよりは
そもそも神の化身について
そんな扱いはするものではないと
考える以前のことだったのかもしれません。
豊穣の秋
私たちは
すでにあるものをどれだけ分かち合えるでしょう。
与え合うことができるでしょう。
豊かさとは与えることで何倍にもなるのだと
風に揺れる黄金の稲穂が語りかけています。


Photo :Kokorography

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石川真理子
みなさまからいただくサポートは、主に史料や文献の購入、史跡や人物の取材の際に大切に使わせていただき、素晴らしい日本の歴史と伝統の継承に尽力いたします。