たとえ明日この地球がなくなろうとも
坂村真民さんの詩に
『バスの中で』という作品があります。
満員のバスに揺られながら
どうしようもなく憂鬱な気分で
もう地球も危ないと思っていると
バス停でドアが開き女の子がひとり
高々といちりんの花を掲げながら
乗ってきた。
まだ9歳か10歳か、もっと幼いか
ともかく小さな女の子だった。
大人たちで混雑するなか
女の子はいっしょうけんめいに
自分ではなくいちりんの花を
守ろうとしているのです。
そんな光景を目の当たりにして
真民さんはこう綴ります。
花を掲げながら
愛を放ちながら
今日を生きることができたなら。
もう40年以上も前に書かれた詩が
今なお語りかけてきます。
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