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コパイバ精油

コパイバは南米アマゾンに自生するマメ科の樹木です。
伝統的にはアマゾン先住民、シャーマンらによって薬木、聖木として重用されてきました。

薬用としては樹液が主に用いられます。
皮膚疾患、傷薬、抗菌、鎮痛、炎症性の症状などに幅広く用いられてきました。

アロマテラピーで用いられる精油はこのコパイバ樹木の樹液、樹脂から抽出されます。

精油の成分としては主にβ-カリオフィレン

コパイバ樹液には多くの成分が含まれ生理活性物質として薬理作用の研究が行われています。
その樹液から水蒸気蒸留法によって得られる精油の成分としてもっとも目立つのはβ-カリオフィレンです。

他の多くの精油と比べても、コパイバ精油には特にこの成分の含有割合が高いとされます。

β-カリオフィレン自体は自然界にはよく見られる成分で、ラベンダー、バジル、ローズマリー、ホップ、クローブ、コショウなどハーブ、香辛料にも含まれます。

抗炎症作用などが研究されており、心理的には不安、うつ、ストレス、ホルモンバランスによる心の不調などに関して注目されることがあるようです。

β-カリオフィレンはしばらく前から、ある界隈でも注目されている成分のようです。
カンナビノイド受容体のリガンドであるとされます(カンナビノイド受容体と結びついて生理的な作用が生じるとされます)。

“カリオフィレンは、ラットでカンナビノイド受容体タイプ2(CB2受容体)の選択的作動薬であり大麻類似の抗炎症作用がある。” Wikipedia:カリオフィレン


もちろん含まれる成分の種類はコパイバ精油よりも樹液の方が豊富であり、樹液、樹脂を用いた製品もあります。
コパイバの製品はCBDオイルなどと共に用いられることもあるようです。

精油の香り、利用、ブレンド

コパイバ精油の香りは強くありません。ほんのり甘さもあるような穏やかな香りです。新鮮な木材の香りや水っぽさをイメージする人もいるかもしれません。
ボンヤリ気味だと感じる人もいると思います。

とりあえずは樹木(森林浴、フィトンチッド)系に分類しておきます。

私個人の印象では、心の安定を望む人が試してみるのが良いのではと感じています。

リラックスにも良いと思いますが、ラベンダー精油よりも「明るさ」があるように感じます。
またラベンダーの場合は、「感情」への作用があるように感じますが、コパイバは ――樹木系精油にはしばしば感じますが―― 感情よりも「精神の状態」や「意識の状態」といったものに作用するように感じます。


香りの主張が強くないので、他の精油とのブレンドがしやすいと思います。

ブレンドとしては、気分の落ち込み全般には、柑橘系やエレミなどリモネン系、ローズウッドやフラワー系の精油など。
さらに更年期のホルモンバランスの乱れからの不調には、パルマローザ、ゼラニウムも良いでしょう。

ムード作りにはサンダルウッドやイランイランなどとのブレンドも。

花粉症など呼吸器系を意識するなら、ユーカリなどのシネオール系やティートリーなどとのブレンドも良いかもしれません。

睡眠用としては、ラベンダーやプチグレンとのブレンドが上気した気分を鎮めるのに役立つかもしれません。
ヒノキなどのα-ピネン系の精油、ヒバやシダーウッド・バージニア(レッドシダー)などの精油とのブレンドが安眠を助けるかもしれません。

コパイバ精油の香りは穏やかで瞑想、ヨガ、気功、呼吸法(プラーナヤーマ)などとも相性が良いと思います。

瞑想向けとして

私が初めてコパイバ精油を嗅いだときは、ボンヤリしているけれども、精神的・宗教的な印象もあるように感じ、瞑想に良いかもと思いました。

ただ、精神的・宗教的な印象は、私のお気に入りのフランキンセンスよりも弱い印象です。
アロマテラピーの芳香としての単体使用の場合は、フランキンセンスの方が瞑想に向くように感じています。

瞑想状態への移行の効果としても、コパイバ精油はサイプレスやヒノキなどα-ピネン系の精油よりも弱いと感じています。
ヒバやシダーウッド・バージニアよりも弱いと感じています。

アトラスシダーやローズウッドと比べても、瞑想時の活性や充実さの効果は弱いように感じています。

コパイバ精油は瞑想時の集中を助けるというよりも、感情・精神の中の凝りや余計なストレス感情や緊張、力みを解くようなイメージがあります。

瞑想に使用する場合にはブレンドをオススメします。
ブレンドによって他の精油の作用を助けるイメージです。

またサイプレスなど単体使用の場合には、濃度次第では「不快臭」のように感じられることがあります。
事前にコパイバ精油とブレンドしておいたものを用いるという方法もあります。