男性は男性の苦しみを理解せよ
※本記事は、筆者も個人的な憶測や意見が含まれています。
資料によってばらつきがあるが「自殺の動機」として最も多いのは、
常に「健康問題」となっている。
2018年の厚生省と警視庁の分析では、全体の3分の2、
1万人以上の人が健康問題を苦に自ら命を絶ったとされる。
ただしこれは鬱病などの気分障害も含まれる。
数では40代~50代の男性が最も多く、仕事の重圧や叱責などから、
心身を損ね、自ら命を絶つ人が多いようだ。
これは生活苦や借金苦よりも多く、生活困窮者よりも、
働く人たちのケアを疎かにしている事が顕れている。
自殺者は女性よりも男性が2.5倍ほど多く、
これは個人的に、男性社会の閉鎖的・閉塞的な部分に問題があると思う。
度々「男らしさという呪縛」というワードが用いられるが、
言い換えれば男性による縦割り社会という締め付けが存在しているのだ。
これは女性を排除したコミュニティであり、女性から見れば気付きにくい。
正直、筆者も「暗黙的に」「男性社会のレースに強制参加させられる」
という男性社会に何度も辟易している。
ここでは詳しく述べないが、女性の自殺率は低いものの、
男性間のレースで、最もとばっちりを食らっているのは、
間違いなく女性だ。
第二に、というかこっちの方が本題と言えそうだが、
男性社会(ホモソーシャル)のコミュニティでは、
他者(特に弱者)への共感を軽視し、見下す所が度々見られる。
これは「上か下か」という男性脳がなせる呪縛と言える。
その証拠に度々ネットでは「鬱は甘え」「低学歴・低収入は努力不足」と
何故か聞いてもないのにマンスプレイングをかましてくる奴がいる。
まあ男の言葉という確証はないが、
ネット上の女性を排除したホモソーシャル的コミュニティでは、
それくらい普通というのが当たり前の感覚と言える。
つまり「弱味を見せられない」というのはそういう事だ。
そういう意味で、若い男性達も真の意味で呪縛から解放されていない。
ホモソーシャルのダークサイドを浮き彫りにしたのが、
韓国の「n番部屋事件」だ。
閲覧者は被害者女性を助けるどころか、それを楽しみ、
犯罪グループに回る者が続出した。
この事件で検挙人数が3,575人に上り、
245人の逮捕者を出したというのだから異例だ。
これにより、男性が弱者に対して手を差し伸べない事が判明した。
女性であれば、こんな残酷な事が出来ただろうか。
このように、差別や偏見を作り出している加害者の多くが男性であるが、
正直、これが改善される事を期待していない。
長い人類の歴史から見て、農耕社会に移行したのはつい最近である。
狩猟採集時代が200万年前に始まったのに対し、
古代エジプトが始まったのは、たったの5千年前に過ぎない。
人類が探査・観測出来得る証拠だって、200万年の歴史のうち、
極々僅かに過ぎないだろう。
更に、コンピュータも加速度的に進歩し、
コンピュータを使いこなす新人類が生まれた。
しかし、物質的に幾ら進歩しようと「本能」の部分では、
なかなか変えられないのだと思う。
男性が犯罪に走るのは、狩猟本能が満たされず、欲求不満に陥るからだと、
著書「話を聞かない男、地図が読めない女」と書かれているが、
男性はまだまだ進化の必要があると言えよう。
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