ドイツ列車事情 1

デュッセルドルフとヴッパータールをネアンデルタール経由でつなぐディーゼル列車S28が運行開始しました。

S28はこれまでもあったのですが、支線だったのを終点駅から線路を2−3キロ延長して、本線へ再びつなぐプロジェクトが開始より10年以上かかりやっと完成したのです。このプロジェクトにより、郊外に住んでいる人間が都市部へ移動がしやすくなり、また、運営会社が異なるため、ストライキ等でも移動方法に幅ができます。

ということで、早速試乗してみました。

線路は田舎の谷間を縫うようにはしり、ネアンデルタール人で有名なネアンデルタールを通り抜けます。美しい景色にしばし目を奪われていましたが、一向に到着地につかず、電車は線路の上で停車したまま、、、そろそろ不安になりかけた頃、ノロノロと動き始め、しばらくしてまたストップ、運転士は何もアナウンスしません。車内にイライラの空気が漂い始めます。席の前のおじさんは、溜め息とともに何度も首を横に振り、席の後方では、お菓子でも食べているのか、くちゃくちゃという音と、袋を漁る音が静かな車内へこだまします。シャカシャカ、くちゃくちゃ、シャカシャカ、、、前の少しいらついているおじさんも、落ち着きなく後方へ意識を始めました。一触即発の張りつめた空気が! これは、わたしを挟んで、前席のおじさん VS 袋漁りおじさんの喧嘩になる、コロナでやばいときにやめてくれと祈るような気持ちでいた、その時、列車はあくびでもするようなスピードでノロノロ動き出し駅へ到着したのです。結局、通常ならば15分の移動に50分もかけてしまいました。

ぎりぎりの空気はあったものの最後まで文句を聞かなかったのは、そもそものんびりした列車にのるような、気の長い人が多かったからなのでしょうが、基本的には、このへんのドイツ人(ノルトライン地方のドイツ人)は、列車遅延の場合は大声の独り言で鉄道を罵っており、見知らぬ人同士の口ケンカも日常的にみられます。逆に、全く知らない人間でも楽しそうで話しているのをよく見かけるので、誰にでも正直に感情をぶつけるのがよしとされているようですね。

しかし、まだ、わたしはこの文化には慣れませんが 。

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