手術用縫合針 ~基本編~
こんにちは。河野製作所 クリニカルサポート部のオペ子です。
梅雨を迎え、肌寒い毎日。寒さが苦手な私にとっては、暑い暑い夏が待ち遠しい毎日です。
さて、これから私がお伝えしていきたい大きなテーマ”手術用縫合針”。
今日は、手術用縫合針が実際どんな風貌をしていて、どのように使われているのか、軽くさわりの部分を説明させていただこうと思います。
手術縫合針はどんな形をしているか
針と聞くと、多くの人が思い浮かべるのは、お裁縫用のまっすぐな針かと思います。それと比較して、手術用縫合針は大きく弧を書くように弯曲しているのが大きな特徴の一つです。
また、現在は針と糸がすでにつながっている縫合針が主流となっており、それも特徴の一つかと思います。すでにつながっていることで、お裁縫の時のように厄介な糸通しをする必要がなく、そのまま手術で使用される形状で製品化されています。
手術室での使われ方
では、実際の手術室では、どのように使われているでしょう?
手術室では、オペナースの手によって縫合針が準備され、準備されたものを外科医に渡し、外科医が縫合するという一連の流れがあります。
一連の流れを説明する前に、縫合針が使われるときには、必ず登場する器械を紹介します。それは持針器です。文字通り、まさに針を持つ器械です。
お裁縫でいうところの指の働きをしてくれる器械で、針をしっかりと安定させて把持することができ、狙ったところに的確に刺すのを助けてくれます。
オペナースはこの持針器で、縫合針を把持して医師に渡す準備をします。
持つとき注意点として、知っておかなければならないことの一つに、針の向きがあります。縫合針には向きがあり、左側が針先になるよう持ちます。場面によっては、逆針といって右側が針先になるように持つことがありますが、左側が針先がスタンダードになります。
縫合針を持つ位置ですが、基本的には、針先から全体をみて4等分したときに、3/4くらいの位置を目安に把持します。これも縫う場所や、縫う組織に合わせ、その場面場面でアレンジをします。
余談になりますが、この記事を書くために、オペナース向けの教科書を何冊か調べたのですが、今は把持する位置を明記したものはなく、都度都度考えて器械出しをするのが主流になっている風潮を感じました。簡単そうに見える縫合針の準備ですが、オペナースの経験や知識が問われる専門的な技術なんだということを再確認させられました。
このようにオペナースによって把持された縫合針は、手術を担当する外科医に渡され、縫合が行われます。
外科医に聞きますと、この縫合は、とても奥深い分野のようです。その奥深さにこたえられるよう、手術用縫合針には、縫合針の先の形状や、弯曲に様々な工夫がされています。今後はそのようなことを説明していけたらと思います!
まとめ
今日は、手術用縫合針の本当にさわりの部分を説明させていただきました。
きっと「なぜ?なんで?」と疑問に思った方もいたことでしょう。
今後は、その「なぜ?なんで?」を一つ一つ説明できるよう、記事をアップしていこうと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
株式会社 河野製作所
1970年5月設立。2020年に50周年を迎えた医療機器メーカー。手術用縫合針を中心とした医療機器の製造販売を行っている。代表製品には、マイクロサージャリー用縫合針、TSUGEループ針、ASFLEX、ORIHIME等がある。
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