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ありのままでいられる場所が必ずある
昨日のnote。
僕の大学時代の体験をぎゅっとしたようなエッセイです。
この経験から何が言いたかったかというと、「ありのままの自分を受け入れられる経験」が、たぶん人生においてとても大事だということ。
頑張ったら褒められた。
努力して見返してやった。
挑戦して目標を達成した。
それも大事だと思いますが、本質的に大事なのは「ありのままでも良いんだ」と腹の底から思える体験だと思います。
頑張ったら褒められた、という経験は「頑張らないと価値がない」という思い込みを強めます。
努力して見返してやった、という経験は「努力すれば認められる」という思い込みを強めます。
挑戦して目標を達成した、という経験は「目標達成こそが喜び」という思い込みを強めます。
つまり、何もしない自分には価値がない。
生きてるだけではダメで、それプラス何かしなければ自分は生きている意味がない。
そんな気持ちを強めてしまうことになるのです。
本来はそうではありません。
僕たちは生きているだけで価値がある。
「人生、生きてるだけで丸儲け」
という歌詞があるように、僕たちは生きていることそれ自体が喜びであり、褒められるべきことであり、認められるべきことです。
だからそんな「生きているだけで価値があるよ」と教えてくれる経験は、何にも変えられない大切なものだと思います。
僕は幸いにも、大学時代にそれを経験しました。
ただ僕が生まれ持ったこの声で喋っているだけで、「良い声だね!」と言ってもらえる環境。
その環境に偶然にも巡り会えたことで、僕は僕のままで良いということを知りました。
それまでは、頑張らなければ価値がないと思っている悲しい人間でした。
高校まで野球をやっていましたが、高校ではレギュラーになることができず惨めな思いをしました。
当然、野球が下手くそなやつは馬鹿にされます。
お前には価値がないんだと言われ続けます。
そして、上手くなれと。
上手くなることを強要される環境であり、現状維持は許されません。
下手くそならもっと練習しろ、考えろ、努力しろと言われ続けます。
それは悪いことではなく、むしろその環境下では当たり前のことです。
だから、その環境にいてはいけない。
本当に野球が好きなら。
心の底から野球が好きなら、下手くそであっても野球をしていることそれ自体に喜びを感じられるはずです。
だから、下手くそであっても価値がないとは思わない。
後々の話ですが、僕はコーヒーが好きだったので、コーヒーを仕事にし始めます。
全国を回って、フリマやイベント、間借り出店でコーヒーを淹れました。
「こんな不味いコーヒー飲めるか!」
と目の前でドブに捨てられましたが、別に僕にとってそんなことは関係ありませんでした。
辞めたいとも思いませんでした。
なぜなら、コーヒーを淹れることそれ自体が喜びだったからです。
コーヒーを淹れている時間が好きで、おまけでお客さんに振る舞っている。
そういう感覚だったからです。
野球もきっと本当の野球小僧というのは、野球をプレーすること自体が喜びで、先輩や監督の評価はおまけみたいなものなんだろうと思います。
僕はそうではなかった。
評価されるためにやっていた。
認められるためにやっていた。
だから、補欠である自分には価値がないと思ってしまったし、ダメな人間だと思っていた。
そういうやつは野球をやるべきではない。
もっと他に、いるべき場所がある。
ありのままの自分を受け入れてくれる場所がある。
僕にとって初めてのそれが、大学時代のアカペラサークルでした。
他人より声が低い。
この成長期に手に入れた身体的な特徴のおかげで、ありのままの自分で良いんだということを知りました。
それは足が速いやつが陸上部で輝くように。
やっぱり身体的なハンデや、好き嫌いや、得意不得意というのは間違いなく人それぞれある。
だから、人それぞれに合った場所がある。
そして、どんな人にもそれはあると僕は思っています。
苦手の裏返しは得意だからです。
声が低いことは、高校時代までは僕にとって大きなコンプレックスでした。
合唱曲では、バスのパートしかできなかった。
カラオケでは、流行りの曲が歌えなかった。
変声期には、声が低すぎて馬鹿にされた。
でも、アカペラサークルという環境に場所を移しただけで、そのネガティブはポジティブに変わったのです。
場所によってネガティブはポジティブにもなり得るということです。
特性は特性でしかない。
声が低いという特性。
そこにはポジティブもネガティブもなく、ただ声が低いという事実があるだけです。
それをポジティブにさせる場所があり、ネガティブにさせる場所があるというだけです。
だから、僕らはありのままでいて良い。
ありのままでいられる場所を探せばいいんです。
偽りの自分を脱ぎ捨てて、ありのままの自分になりましょう。
そして、その自分でいられる場所を探す旅に一緒に出かけましょう。
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