見出し画像

自己満足、実は素晴らしいことなのではないか

自己満足。

略して、自己満。

なんだかよろしくない意味で使われがちな、この言葉。

それって、自己満じゃん。

自己満足でしかない。

などと、何かに対して劣っているような印象で使われている。

きっと他人に施しをするとか、社会の利益になるとか。

そういったことに比べて、自分の満足のためだけに行うという意味で、卑下されている。

でも、僕は最近気づいた。

自己満足こそが、実はもっとも素晴らしい目標なのではないか、と。

辞書で引いてみると、「自分自身に、または自分の言動に、自分で満足すること。」とある。

実は、そこにネガティヴな意味合いはない。

単純に自分の行いに、自分で満足すること。

それがこの言葉の定義だ。

だとするならば、実は褒め言葉として受け取るべきなのかもしれない。

それって、自己満じゃん。

そうなの、ありがとう。

そんな受け取り方が健全なのかもしれない。

趣味で描いたイラスト。

カラオケで高得点を出せた流行りの歌。

一人暮らしで美味しく作れた料理。

自己満足、自己満足。

そのように唱えると、なんだか心が満たされていくような気がしないか。

例えば、自分が美味しく作れたと自信を持って、嬉々として友達に振る舞う。

友達は、顔をしかめて怪訝そうにする。

自己満足を否定する価値観(=自己満足に対して、他己満足と呼ぼう)だと、不幸になる。

しかし、自己満足を是とする価値観だとどうか。

自分で作り、自分は最高に美味しいと感じた。

明日からも、この美味い飯が毎日食える。

めちゃくちゃ幸せだ。

なんだか虚しい、と思うだろうか。

でも結局、人生の幸福度とは、自分がどれだけ幸せを感じられたかという尺度なのだ。

世界平和を祈る、高尚な幸せも。

日本を代表する大企業を作る、崇高な幸せも。

地域創生を掲げる、尊貴な幸せも。

結局は自分が幸せと感じるから幸せなのであって、その点においてはどの幸せも変わらない。

現実する事象は違えど、その幸せな状態を幸せと感じるのは、最終的には自分である。

自分、がそこにあるから幸せと定義できる。

だとしたら、人生の究極的な目標は、自分が幸せになることだ。

自己を満足させることだ。

他己を満足させることではない。

そして、他人を満足させること、他人を幸せにすることは、自分を満足、幸せにした先にある。

利他の心は、自分を満たしてこそ生まれる。

空腹で餓死寸前の人間が、目の前のご馳走をどうぞどうぞと他人に譲っていたら死んでしまう。

自分が生きるだけの食にありつけているからこそ、他人に施せる。

痩せ我慢は長くは続かない。

持続的でないのである。

だから、まずは自分を満たす。

自己を満足させる。

その満足が溢れると、他人を満足させられる。

コップに水を注ぐとして、そのコップから溢れる水を他人に分け与えることができるのと同じだ。

自己満足とは、そのコップを満たす営みである。

それって、自己満足じゃん。

と揶揄される行いは、そのコップを瞬時に満たすことができる素敵な行いだ。

自分のために作った美味しい手料理。

カラオケで高得点を出せる十八番の曲。

子供の頃から描き続けてきたイラスト。

それ自体は周りの誰の役にも立たないかもしれないが、自分を満たす最上の手段だ。

無限に湧き出る井戸水だ。

そのようにして自分を満たすと、きっと少しだけ周りに優しくなれる。

コップから少しの水が溢れるように。

気持ちが晴れやかになり、他人に優しさのお裾分けができるようになる。

日常にある小さな幸せだ。

小さな幸せでしかない。

しかし、小さいことにその妙味がある。

小さな幸せで自己満足できるというのは、即ち自分のコップを小さくできるということだ。

高級フレンチや、うん百万する外車や、海外旅行にでなくても自分を満たせるということだ。

それって、自己満足じゃん。

というのは、「そういった些細なことに幸せを見つけられて、自分を満たしてあげることができる素晴らしい才能をお持ちですね」という意味だ。

そう解釈するようにすると、なんだか沸点が下がってこないか。

そして、さらに他人に優しくできる気がしてくる。

個人的には、自己満足できるもの、ことをたくさん収集したい。

たくさん集めて記録して、一冊の本にしてまとめたい。

自己満足アルバムともいえるような一冊だ。

それを見返せば、すぐに自分を満たすことができるヒントが見つかる。

そして、次には他人に少し優しくできる。

僕はそれをTwitterやInstagram、そしてこのnoteでやっているような気がしている。

そうだ、SNSは僕にとって自己満足である。

たくさんの人に見られる必要はない。

誰かに評価される必要もない。

ただただ、僕の好きなものやこと、大切なことの記録である。

ぜひ、それって自己満足じゃん、と言ってほしい。

僕は笑顔で、極めて爽やかに、褒めてくれてありがとうと答えたい。

良かったらサポートしていただけましたら幸いです!記事更新の励みになります!