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それって本当にやりたいことですか?本当に生きたい人生ですか?

多くの人を見ていて思う。

「それって本当にやりたいことですか?」

「それって本当に生きたい人生ですか?」

だいたい初対面で一言二言話してわかる。

この人は本心で喋っている。

この人は自分の心に嘘をついて生きている。

それは、もしかしたら無意識かもしれない。

自分の心に嘘をついている自分を本音の自分だと思い込んでしまっているかもしれない。

だとしたら、それは可哀想だと思う。

僕もかつてそうだったから、その苦しさは痛いほどわかる。

苦しいんだよ。

寂しいんだよ。

虚しいんだよ。

わかる。

だからこそ、僕はそういった人に向けても正直に、本音で言いたいと思う。

それ、自分に嘘ついてるよね?

もっともらしい理由や言い訳をして、自分には出来ないと決めつけて嘘をついている。

嘘をついている自分を本心の自分だと言い聞かせている。

そうだよね?

そんなの一言二言話せばわかるんだよ。

文章を見ればわかる。

共感性羞恥みたいなものかな。

過去の自分を見ているようで見てられなくて、恥ずかしくて、辛くて、苦しくなる。


僕は今カフェ店主をやっていて、本当に本心で、自分に嘘なく生きられているなと思う。

でも、かつては英語教員をやっている何かあまりパッとしない感じの人間だった。

何故か英語が好きだと思い込んでいた。

僕は英語が好きだ、ということにしていた。

無意識に。

それは、社会で英語が求められるという背景があって、英語ができるというのはもっともらしい良い建前だったから。

英語を使った仕事をする、というのは "世間的に" とても良いことだったから。

だから、都合の良い目標だった。

そして出来そうだった。

勉強はめちゃくちゃ出来るってわけでもなかったけど、ある程度得意だったから。

高校三年間野球漬けだったのに、引退後半年必死こいて勉強したら国立大に入れるくらいには得意だった。

大学院に進学できるくらいには得意だった。

世間体もよく、達成できそうな目標。

それが僕にとって英語教師で、それを僕の本心の目標であることにしていた。


第一、カフェ店主なんてなり方がわからない。

教員免許みたいな資格もなければ、学校でカフェの開き方なんて学ばない。

周りの大人にもカフェ店主の人なんていない。

カフェ店員ならスタバでもタリーズでもバイト面接にいけばなれそうなものだけど。

"自分で店を持つ" なんて、教員家庭の僕にとっては未知すぎる世界だった。

だから僕はそんな夢は無いものとして、英語教師になった。

でも、やっぱりそんなハリボテの目標はハリボテでしかなくて、一年も経たずに「辞めよう」と思った。

自分の店を持つなんて意味不明だけど、そこに向かってみようという気になった。

無理ならカフェでバイトでもすればいいやと思った。

最低ライン僕の人生それでも楽しいかなと思った。

でも、本心の目標を目指さないで人生終えるのは、どう考えてももったいないと思った。

だって、別に目指したけれど無理でした〜となったところで、ちょっと恥ずかしいくらい。

友達に笑い話にされるくらいだ。

それならばむしろ笑い話を一つ作ってみようじゃないか、くらいのノリで挑戦してみるのも悪くは無いなという気がした。


それで、結果的には自分の店を持つことができたけど、でも結果はさして重要ではない。

重要じゃないと言ったら嘘だけど、一番重要なことではない。

一番重要なことは、自分の店を持つためにああでもないこうでもないと試行錯誤したことだ。

コーヒー豆をネットで売ってみた。

レンタルスペースを借りて一日カフェをやってみた。

フリーマーケットでコーヒーを淹れてみた。

車中泊で日本中を回って友人や知り合いの家にコーヒーを淹れにいった。

自家用車を改造してキッチンカーを作ってみた。

たぶんめちゃくちゃ遠回りをした。

でも、その遠回りがかえっていろんな景色を見せてくれた。

楽しかった。

道すがらだったけど、楽しかったと胸を張って本心からそう言える。


出来るか出来ないかは全く関係がない。

成し遂げることにさほど意味なんてなくて。

その夢を追って生きていられているか。

そこに向かおうと思えているかっていうことが、大事なんだ。

だから、どんなに荒唐無稽でもいい。

今までやってこなかったことでも、適性や才能がなくても、そんなことは関係ない。

それに向かっていく、と決める。

そして、その向かっていく過程を楽しむ。

ただそれだけ。

それだけを僕はみんなに伝えたくて、たぶんこうやって文章を書いている。

ただのカフェ店主で、作家でもなんでもないけれど書いている。

だけど、それでいい。

そんな変わったやつがいるんだと思ってもらえたらそれでいいと思っている。

そして、僕も私も変わっていても良いんだ、と思ってもらえたらもっといい。

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今野直倫
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