認知症の人の体の中で起こっていること
認知症の人の体の中ではなにが起こっているか、ご存じでしょうか?
それは、「内臓の機能低下」です。
例えば、生ガキを食べて食あたりを起こし、お腹が痛くなったとします。
これは、生ガキに含まれている微生物が腸の壁を刺激して起こるのですが、この時、痛みを感じているのは、厳密に言うと、腸ではありません。
腸の壁が刺激されたことで、腸の状態を報せるためのホルモンが、脳に「腸の壁が刺激されてますよ」と伝達します。
すると脳はあなたにお腹の痛みを感じさせることで、腸に異常事態が起きていることを報せているんです。 これ自体はごく自然なことです。
ですが、この異常事態が長く続くことが問題になります。 脳は「内臓が異常事態にある」という信号を長時間受け取り続けると、身体を守ろうとして記憶力や集中力、理解力を司る大脳の機能を停止させて、ホメオスタシスを維持する事を優先します。
ホメオスタシスとは恒常性という意味で、心臓を動かす、体温や血圧を一定にする、呼吸をするなど、生命活動のために自立して働く機能のことです。
ホメオスタシスを優先的に維持することで命は守られますが、長時間機能停止していた分だけ脳機能が低下し、物忘れや何度も同じことを聞くなどの認知症状が現われます。
簡単に言うと、認知症を発症する人は、「脳が機能低下する前に内臓の機能が低下している」ということになります。
つまり、内臓の状態が良くなれば、脳の状態も良くなるので、認知症が改善する可能性がある・・・ということです。
あくまでも可能性です。
認知症の原因はそれだけとは限らないですからね。 認知症の原因の一つとして、内臓の機能低下というものがある、という風に考えてほしいと思います。