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「ディープ タイム ウォーク」で46億年の地球の歴史と人間について考える

 20代、ちょくちょく一人で森に入ることが多くなったころから、何度も考えたことは、経済優先の社会のなかで、いかに素晴らしい環境を守りながら、こころの豊かさを保ち、生きていくことができるか、ということでした。
 何度も考えたということはつまり、その都度経済優先の社会に引き戻されたということに他なりません。
 それから30年余り、地球や、生き方について何度も思いをはせながら、それでも経済原理に引き戻され続ける途中で、本日、素晴らしいプログラムに参加させていただきました。 

 思想家、教育者、 エコロジスト、平和運動家、サティシュ・クマール氏が設立した、英国のシューマッハー・カレッジ。
 本日は、その名物講座としてステファン・ハーディング氏が開発した「ディープタイムウォーク」を、前野隆司先生自らが開催されるということで、参加させていただきました。

地球46億年の歴史を、時間軸を4.6kmに合わせ、10億年を1㎞、1億年を100mに換算し、実際に自分たちの足で歩きながら、時間の流れを追体験するプログラム。

46億年前に地球ができ、大地は赤く、空は真っ黒、
45億年前に月が生まれ、赤い空が広がる中に巨大な月が浮かんでいて、
40億年前には水蒸気から水ができ、
24億年前に全世界共通の生命LUCAが生まれ、バクテリアや光合成が始まる
その後のカンブリア爆発による種の拡大などがはじまり、
というように、ダイナミックな地球の歴史を、実際に足を動かしながら、体感するところから始まります。

 会場は調布市にある野川公園の川沿いの道、カワセミやサギ、エナガが飛び交い、カモがのんびり水辺に浮かぶ素敵な公園。
 全行程を3時間ほどかけながら、足の裏で地面を感じながら歩く過程では、地球が生まれてから、生命が生まれるまでの複雑な過程、そして想像をはるかに超える長い道のりのうえに、地球が成り立ってきたことを体感させてくれました。
 多くの偶然や、摂理の積み重ねの上に、突然現れやっと生まれた私たち人類の祖先、その距離わずか20㎝だということに気づくこと、ここで急に、今自分たちが地球に対してしてきたこと、していることの重さに気づき、感情が大きく揺さぶられます。

 42億年前から一続きの地球があり、24億年前からの一続きの命の重みに気づいたとき、私たちが何をなすべきか、そして何をなさないべきかに、思いをはせることができる。

 年末のあわただしい中、狭くなっていた視野を、大きなスケール感で広げていただくことができました。

 素晴らしい場にご一緒させていただいた皆様、本日は本当にありがとうございました。

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