今野純太郎

宮城県仙台市在住 ■東北の川と森を歩くことがとても好き。おもに森とこころとサカナと野鳥などについて、日々思うことを置いていきます。 ■宮城県森林インストラクター ■公認心理師 ■特定非営利活動法人Switch 代表理事 ■保護司 ■復興農学マイスター

今野純太郎

宮城県仙台市在住 ■東北の川と森を歩くことがとても好き。おもに森とこころとサカナと野鳥などについて、日々思うことを置いていきます。 ■宮城県森林インストラクター ■公認心理師 ■特定非営利活動法人Switch 代表理事 ■保護司 ■復興農学マイスター

最近の記事

蒲生干潟のミサゴ

 カワセミの魚とりは、くちばしからダイナミックに水に突っ込むという、捨て身の漁ですけれども、猛禽類は足から水に突っ込み、その鋭い爪で魚などを次々に捕らえ、悠々と遠くに魚を運んで優雅に食事をする印象があります。なかでもミサゴは魚を主食にし、カワセミとは対照的な、魚とりの名手なのかもしれません。  その日、蒲生干潟は強い風に吹かれる中、小鳥たちは脇の藪の中に潜んでなかなか姿を見せず、水面のカモたちは、みな風裏に集まっていて、コガモは水中に頭を突っ込んで、尻だけを突き上げて水中の

    • 道をつくる

       長い梅雨が明け、風が吹く晴れた今日、森の中で作業をする機会をいただきました。 そのなかのひとつに、「道をつくる」作業がありました。  そもそも林道や登山道、を頻繁に歩いていたものの、その道を誰がどのように作ったのか、ということに思いを馳せることは、あまり多くありませんでした。  もともと、緩やかな斜面だった場所に、土留めの丸太を並べるところから作業は始まりました。森から切り出してきた2,3メートルの丸太を何本か並べ、大まかなルートを決めることで、森の中に一本の線が出来る

      • 街場のカワセミ

         私はもともと森に入った時、その目的はほとんどが魚釣りでした。  特に源流部のイワナ、ヤマメなど、美しい魚たちと毛鉤で遊んでもらうことが好きで、川に入ると時間を忘れて山の奥へ奥へと入っていきました。。 渓流釣りではさまざまな生き物に出会います。  ヘビやカエルをはじめ、カモシカ、カワガラス、リス、時には自分と同じくらいのツキノワグマと至近距離で出くわすこともありました。  その中のひとつにカワセミがいました。  釣りをする人間にとって、カワセミは特別な存在です。KingFi

        • 一切経山

           早朝に出発して2時間、高速道路を降りてからしばらく続く曇天、そしていよいよ登山口が近づくにつれてその量を増す雨に、登山をするには少し不安な空気が流れてきました。  高湯温泉を過ぎ、曲がりくねる山道を登りながら、私たちは時折視界を遮る霧に一喜一憂しながら山をさかのぼりました。  吾妻連峰は吾妻山、一切経山、西吾妻山などから成り、古くから山岳信仰の対象とされ、この周辺には、修験道にちなむ地名が、数多く残されています。一説には弘法大師が、この山中に一切経(仏教聖典を総集したもの)

          森の緑のほら穴のなか

           6月、どんどん草木の香りが緑から深緑になり、森の中の生命感がいよいよ膨らみ、その深さ重さに圧倒されながら、自分が少しづつ森に飲み込まれていくような不思議な気持ちになる、そんな季節、森の中を歩きながら、いままで自分がなぜ、これほどまでに森に来るようになったのかを考えていました。  思えば、20代に渓流釣りの楽しさを覚えてからというものの、ずっと山や森を歩き続けてきました。  その時々で、興味の対象は変化し続け、岩魚や山女魚などの渓流魚から始まり、それらを取り巻く水生昆虫たち

          森の緑のほら穴のなか