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バッハ・コレギウム・ジャパン第162回定期演奏会 ≪B→B ブクステフーデからバッハへ≫

#BCJ の定演、今回はJ S.#バッハ の大先輩世代であるD.#ブクステフーデ の作品にフォーカスしたプログラムです。

オープニングは #鈴木優人 によるオルガン独奏で、ブクステフーデ: プレリュードト短調BuxWV149。目まぐるしく曲調が変化する激しい音楽でした。

メインは、ブクステフーデ: 我らがイエスの御体BuxWV75。いつもよりかなり小編成で、5人のヴィオラ・ダ・ガンバ・コンソートを含むのが珍しいです。かなり高音のチューニング(A=465とのこと)で、音色はやや上ずった感じに聞こえました。音楽は、独唱(の組み合わせ)と合唱と器楽(ヴァイオリン2本)が複雑に織り込まれていて、非常に美しいもの。折角のガンバ合奏ですが、元々の出番が7部中の1部だけしかなく勿体なかったです。全体としては1時間近くあって少々長かったものの、変化に富んだ美しい音楽でした。

後半はバッハの最初期の哀悼行事カンタータBWV106。後年のカンタータ群から見ると、編成的にも曲調的にも特異な存在です。こちらはあっけない位に短いながらも並外れて美しい音楽で、特に後半のテノール独唱にコラール合唱が畳み掛ける部分は、歌詞も含めてゾクゾクするほど胸に沁み入りました。

どちらの曲も、声楽の見せ場が比較的多くありました。独唱陣では、初めて聴くテリー・ウェイ(カウンターテナー)の包容力のある感じの声には聴き惚れました。松井亜希・望月万里亜(ソプラノ)、櫻田亮(テノール)、渡辺祐介・加耒徹(バス)の常連組も、小編成の合唱隊も、実に見事でした。器楽では、上村かおり・福澤宏らヴィオラ・ダ・ガンバの独特の余韻のある音色が効果的で、しかも大小のガンバやチェロとの持ち替えをしていて驚愕でした。

最近は古典派以降の音楽を採り上げることが多いBCJですが、個人的には原点であるバロックに注力して欲しいと願っており、今回の演目は嬉しかったです。

[2024/07/15 #演奏会 #バッハコレギウムジャパン #東京オペラシティ ]


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