命をいただくということ。
昔から本を読むのは好きだが、一度手に取ると止まらなくなってしまうので、
今日は何もしない!
と決めた日にページをめくることにしている。
昨日はコーヒーのお供にこの本を。
田舎暮らしをするにあたり、職業選択の1つにありかなと思っていた狩猟。
もちろん山に入れる期間は限られているので、またぎだけで生きていくのは難しい。
農業と掛け持ちで狩りをしている方が多いと聞き興味を持った。
でも女子に狩猟なんて務まるのだろうか。
相手は獣。珍獣ハンターでもあるまいし。
そんなモヤモヤの中で出会ったのがこの一冊。
必死に命と向き合う姿に心打たれた。
思い返せば学生時代たくさんの命に触れてきた。
高校の実習では、ヒヨコから育てた軍鶏を絞めて焼鳥にして美味しく頂いた。
大学では、研究でたくさんのマウスの命を頂いた。
牛の身体の構造を知るため、解剖実習をした。
屠畜場にも足を運んだ。
農業には常に命の重さが付き纏う。
この本の中にも筆者が自ら育てた烏骨鶏を泣きながら絞める様子が描かれていた。
辛いなら殺さなきゃいいのに。
かわいそう。
そのとおりだと思う。
農業を学んで10年目になるが、未だに答えが出ない。きっと一生自問自答を繰り返していくんだろうなと思う。
牛も豚も鶏も…みんな可愛い。
自分の子には愛情たっぷり注いで育てる。
よく食べられるね。
学生時代他校の友達からよく言われていた。
家畜は愛玩動物とは違う。
精一杯の愛情を注いで、美味しく頂く。
最後まで責任を持って我が子と向き合う。
ごめんね。
じゃなくて、
ありがとう。
と言えるように。
そして、
いただきます
と感謝できるように。
この本の中で印象的な言葉がある。
「命を奪って食べる
よりも
自分の一部になった
という感覚の方がしっくりくる気がする。」
スーパーに並ぶお肉をみて「あぁ、生きていたんだな」と感じる消費者はいるだろうか。
命に触れ、命を頂き、血となり肉となる。
このことを忘れてはいけない。
屠るにはかなりの体力が必要。命はそれだけ重くて尊い。
女性の力で捌くのは至難の技。この本を読み痛いほどわかった。
それでもやはり命に向き合い続けていきたいと感じた。
自分の気持ちに迷いはない。
そう思わせてくれる一冊だった。
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