いっちょかみ(後編)

いっちょかみ(前編)|コニモツ/アダルトチルドレン


の続きです。


調べると良い意味で使われていないことを知った。自分では良い事をしていたつもりだったので落ち込んだ。「いっちょかみ」を辞めようと決めた。
職場で聞こえてくる会話につい口を出したくなる時に「今、いっちょかみしようとしてる」と自覚すると冷静になれた。
私はこのあと何度か転職するが、「いっちょかみ」と「職場での愚痴」を止めると決めたあたりから人生は少し好転したと思っている。



でも、プライベートは親切にしたがる自分がまだいた。
何でもない時にプレゼントをしたがったし、ちょっと遠出すればお土産を買ってきていた。
もちろん赤の他人にもイイ人ぶった。



先日とある施設で、困ってそうな人はいないか、目を光らせる自分がいるのに気づいた。
赤ちゃんから老人までが集まり、鏡越しに全体が見えるその場所で「私が譲ることで助かる人がいるのでは?」という考えに支配された。
いっちょかみたがる性格はそう簡単には治らない。染みついている。
「他人に親切にする」が悪い事ではないから、また厄介だ。
むしろ、自己犠牲しないと罪悪感が湧いてきて苦しくなる。
だいぶバウンダリーを意識できてきたと思っていたのに・・・少し落ち込んだ。


私は目を閉じると言う単純な方法でいっちょかみセンサーをオフにした。
「まずは自分、自分、自分・・・」と唱える。
「ただその場にいるだけ」なのに湧きでてくる罪悪感の理由を探しに心に注意を向ける。
結果、私は「ただその場にいるだけ」ができた。
これでいい、なんの問題も起きていない。ここに「お前は優しくない!」と叱る人はいない。








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