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0 はじめに:DXの事前常識  

まえがき


当方、長らくIT産業界に従事し、この20年ほど今日でいうDX・企業のデジタル化に腐心してきました。そこで、DXの実践原則を「DX実践の常識」として本noteにまとめていきます。本「DX実践の常識」は次の5つから構成されます。
    0. はじめに
    1. 業務の常識 
    2. 業務改善の常識 
    3. 企業展開の常識 
    4. ITシステム化の常識

2018年の米国RedHat社の調査資料(米国企業約700社)「DXの障害は何か? アンケートの結果は
  ➀技術:30% ②プロセス:43% ③企業文化:55%」 
本noteでは、この結果の➁③を中心に対応していきます。

DXの定義


DXの定義は色々でしょうが、「デジタル技術を活用して業務改善を実現し、併せて組織・企業・社会変革を起こし、新事業創出を実現する。」とします。
  「デジタル技術を活用して
      ①業務改善
      ②事業創出
      ③職場・企業・社会変革」

すると、そう簡単ではありません。失敗があって当然でしょう。なぜなら、ほとんどの私達にとって事業創出、組織・企業・社会変革など未経験領域だからです。
ですから、じっくり諦めずに、「失敗を糧にして、次は成功」のマインドで継続することが大切となります。
その継続と成功の繰り返しが、職場を、会社を、そして社会を変えてゆきます。活き活き職場・企業・社会の誕生、風土変革となる事がDXの最終的な狙いではないでしょうか。

DX成功の6ルール

失敗の事例研究はとても興味深いのですが、それらを踏まえ「DX成功の6ルール」を提示します。

[DX成功の6ルール」
1.まず「業務」を理解、即ち「業務の可視化」
2.PDCAの永遠の繰り返し(継続)
3.手法と手順の確立
4.DX推進リーダとDX-COEが必要
5.小さく始めて、大きく全社展開
6.新たな企業文化の定着

1、2 ・・・ 「業務の常識」
3、4 ・・・ 「業務改善の常識」
5、6 ・・・ 「企業展開の常識」
と対応するでしょうか。

1.まず「業務」を理解、即ち「業務の可視化」

企業は「業務」の集合体です。そして、デジタル化の対象は「業務」です。「業務」がどうなっているか、どうゆう関係になっているか、誰がどこを担当しているかなどを、関係者全員が共通認識として納得することが一番重要なことです。これを広義の「業務の可視化」と呼びましょう。そこで初めて「業務改善」が可能となります。

ご存知のように、ITシステム開発の前段階で「業務の可視化」は当然なのです。しかし日本では、90年代中頃のERPブームの時、正統の「業務の可視化」がなされれず、日本独自の方法に突き進んだことが恨まれます。DXの今になって、それは当に露見したと言えます。

2.PDCAの永遠の繰り返し(継続)

「業務改善」には、ご存知PDCAしかありません。Doして、その結果をCheckして、次の改善Actionとするわけです。そして更なる高みに到達して、効果が絶対的なものになります。個人の・組織の・会社の「自信」となります。

時に悪い結果(失敗)も有ります、それは次の改善Actionで挽回です。挽回すると「自信」は「確信」に変わっていくでしよう。「よろこび」になるかもしれません。企業継続はPDCAの継続とも言えます。人生100年、個人も同じかもしれません。

CAフェーズで、Doした結果情報が蓄積されます。企業業務のBigDataです。その活用もCAフェーズでの大事な仕事として更に注目されてきます。

3.手法と手順の確立

先の「業務の可視化」にしても各自が勝手に進めるよりも、「手法と手順」を明確にし進めたほうが良いでしょう。DXの一面を「モノづくり」として見るならば、絶対に「手法と手順」が必要で、その確立・社内標準化が必要になっていきます。社会標準にと成長することになるでしょう。

「手法」はすでに決まっていることが多いですが、それらをどの様に繋いで「手順」として、自分の組織や会社で進めていくかが大切です。そこに問題があると「DXの失敗事例」となりがちです。当に各自の知恵を出すところとなります。「手順」を明確にして、それをベースに説明をすると他者の理解は得やすいものです。

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4.DX推進リーダとDX-COEが必要

「手法と手順」「PDCA」とルールに揚げました、それらを勧めるリーダ(DX推進リーダ)が絶対必要です。DX推進リーダはメンバーと一緒に現場のDXを実践推進をしていきます。その時に「手法と手順」が役立ちます。ですから「手順と手法」の管理・更新・社内研修等々、リーダとメンバーのやる仕事は徐々に増加し、重要度も全社的になってきます。DX実践推進業務が企業の新たな一つの柱になります。その全責任を担う組織がDX-COE(CenterOfExcellence)です。その組織新設が、経営陣のDX宣言といってもよいでしょう。

5.小さく始めて、大きく全社展開

初めての試み、経験ですから「小さく始めて」は当然です。もちろん、社長のDX化号令は悪くないですが、それは必要条件ではありません。社長号令で、コンサルとSIに高額払ってその時は成功するかもしれません、次の改善・改革もまた頼むのですか? 自分たちでやらないとダメなのです。小さく始めて成功・失敗を体験する中で、自分たちの自信を培い、次に拡大し、最終的に全社のDXが実現していくのです。DXを企業成長とみるならば、成長はみな、小さく始めて、自信をつけて、大きくです。



6.新たな企業文化の定着

DX化の定着を企業文化まで昇華することが最終目標です。それは企業がDX化を企業価値の一つとすることです。すでに記述してきた5つのルールを会社活動のベースとしていき、DX-COEを設置し、DX推進リーダやメンバーの活動と全社員の活動をリンクしていくことです。

60年代、70年代の製造立国日本を作り上げたのは、当に製造のためのルール集がありました。それらは「目に見える物」でしたが、DXの「目に見えないモノ」にも適用していけば、前回と同様に時間はかかりますが、DX立国日本も現実のものとなるでしょう。

以上です、有難うございまた。今後とも、このnoteで「DXの常識」視点でより広範囲な話題と深掘りをしていきます。

             (210309・231228・240126)







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