8月の漁業
斜里町でのホタテ漁は桁曳網漁業が行われていますが、そのほかに「採苗」が行われているのはご存知でしょうか?
採苗とは、養殖用のホタテの赤ちゃんを集めることをいいます。
5cmぐらいの大きさのホタテの稚貝はよくご存知かと思いますが、採苗されるのはもっと小さい、数mmしかないとても小さなホタテです。
「採苗器」という、稚貝を採取するための器具を6月に海中に入れます。
ネットを重ねて作られていて、その形状から「ちょうちん」とも呼ばれます。
そして海中を漂うホタテの赤ちゃんを付着させ、7〜9月の早朝、漁師さん達に引き上げられます。
採苗器1つに2〜3万個もの稚貝が入るそうです!
とても小さくてわかりにくいのですが、写真の左の赤丸の中には2つ、右の赤丸には1つ、稚貝がいます。
こちらは7月中旬の写真ですが、大体2〜3mmの大きさ!
この子達が育って手のひらよりも大きなホタテになっていくなんて信じられないですね。
このあと、1度採苗器からふるい出され、もう少し成長させたりした後、各地へと出荷されていきます。
漁師さんによると、このあたりの稚貝は強いと言われることが多いそうです。
斜里ではホタテの養殖漁業は行われていないため、この子達は斜里で育っていくことはないのですが、〇〇産という表示が斜里でなくても、斜里出身のホタテかもしれませんよ!
そう思うと美味しさが増す気がしますね。
協力
・知床博物館
・斜里第一漁業協同組合
・斜里町役場水産林務課
広報しゃり8月号
漁業
▶︎道内各地に旅立つ斜里出身のホタテ稚貝
自然
▶︎斜里町の花、ハマナス。学名は「シワシワのバラ」