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梅ちゃんの話

わたしの大切な小梅の木を失って、もう2か月半になります。早いような、でも結構昔のことにも感じます。

昨シーズン冷蔵庫に残していた数粒の小梅の種のうち、ちょうどそのころ根が出てきたものがあって、あわてて部屋に出して育て始めました。それが梅ちゃん(以下、1号)。でも土に植え替えたあと成長が止まってしまって、昨年末には根っこから水を吸わなくなり、年明けにはすっかりしぼんでしまいました。

同じころ、冷蔵庫の残り2粒のうち一つが発根し、梅ちゃん2号(以下、2号)と呼んで新たに育てはじめました。1号のときに水耕栽培を長期間させすぎたかもという反省をもとに、湿ったキッチンペーパーの上から直接土の入ったポットに移して、無事に根付くようにと願う日々。なんとか順調に1か月を経過、そろそろ1号がしぼんだときよりも大きくなりそうです。

1号は根っこが出たときから、今日は何ミリ伸びたか目視でわかるくらい、根も茎も葉も成長が早かったけれど、全体的にひょろっとしていました。一方で、2号は最初に出てきた根が太かった。太い根っこが一本じっくり、伸びてきて、そのあと茎と葉がゆっくりゆっくりまっすぐ上に大きくなってきました。ちなみに土の中で枝分かれした根っこも太そう。1号と2号はおなじ小梅の木からできた種なので、いわゆる兄弟ということになりますが、こうも違うのかと。わたしの育て方も多少違ったとはいえ。

1号のようにひょろっとふわっと成長していくのか、2号のように軸をしっかりもってゆっくりブレずに伸びていくのか。わたしは小梅の木を失った深い悲しみから梅ちゃんに感情移入しているため、梅ちゃんから生き様を学んでいます。1号の方が一見要領がよさそうだけど、いろんな意味で長生きするのなら2号のほうがよさそうだ。わたしは焦って1号になりがちなので2号を見習わなくてはな。でもこれは良し悪しじゃない。個々の生まれ持った性質も大きいはずだから。

先月、お腹の調子を悪くしたとき、夜中にストーブの前から動けなくなり、スマホもろくに触れないなか、2時間くらい2号を膝にのせてずっと眺めていました。梅ちゃんすごいねえ、立派だねえ、元気だねえ、なんて、心のなかで話しかけつつ。いや、声に出ていたかも。梅ちゃんの存在にとても励まされました。


梅ちゃんの近況、また報告します。


梅ちゃんを育てはじめた詳しい理由はこちらに書いてます。プライバシー配慮のため有料公開ですがよかったら。

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