経営も人道支援もまちづくりも真理は一つ
つい先日、緒方貞子さんのことが書かれた本を読んだ。
緒方さんについては、世界を股にかけて難民や紛争についての課題を解決している人くらいは知っていたけど、改めて本を読んでみるとまちづくりや経営に通じる言葉がちりばめられていて面白かった。
紛争地域は事情がかなり複雑で、昨日まで隣人だったと人同士が殺し合ったり、紛争後には今までの関係がまったく違うものになったりする場合もあると書かれていた。
佐伯の中でも過去を振り返ると色々な事情から禍根のようなものがあったりすると聞く。けど、そういうものは紛争地域のそれに比べれば小さい。世界規模で見た時には大した問題じゃないと思える気がした。
もちろん、大事な問題もあるし、どうしてもぬぐえない過去の遺恨もあるとは思うけど、地球規模、宇宙規模でみたらなんて小さなことでもめてるんだろうと柔らかく受け入れられる気がした。
社会的な成熟度の低い地域は政治的な混乱が起きるとすぐに情勢不安に陥る
そしてもう一つ、緒方さんがおっしゃっていて興味深かったのは社会的な成熟度の低い地域は政治的な混乱が起きるとすぐに情勢不安が起きるということ。
何を隠そう、先の佐伯市長選での公職選挙法違反を巡っての一連のニュースはある種の政治的混乱と言ってもいいものだと思った。けれど、まちに与えた影響はどうだったか。大きな混乱などもなく、行政も市民もまっとうに日常を営んでいたように個人的には感じている。
現場、現場、現場。改革は上からではなく下から起こっていくもの。
そしてなにより心に刺さったのは「現場主義」に徹する緒方さんの姿勢と改革は上からではなく、下から(現場から)起こっていくものですという言葉。
そう、我々は現場で働き、現場を生き、現場を楽しんでいます。国づくりや大観的なまちづくりを行う立場の方たちは上からの改革を目指し、私たちは現場からの改革を進めていく。その両輪がかみ合ったとき、まちや人が一気に発展へと進んでいくんだと改めて感じました。
小さな努力を積み重ね続けること、現場に徹すること、創意工夫を怠らないこと。敬愛する稲盛和夫氏の言葉とリンクする部分も多く、経営も人道支援もまちづくりも真理は一つ、ということを体感した緒方さんのお言葉でした。
ご存命だったら佐伯にぜひお呼びしてお話を聞きたかったな。