きたももんが

名前はきたももんがだよ。オホーツクの海近くの森に住んでるよ。森の中でひっそりと詩を作っ…

きたももんが

名前はきたももんがだよ。オホーツクの海近くの森に住んでるよ。森の中でひっそりと詩を作ってきたけど、みんなにぼくの詩を読んでもらおうと思ったんだ。ぼくの詩はエンターテイメントだよ。特別な深い意味はないんだ。無理に詮索しなくていいよ。楽しいなと思ってもらえればそれで十分だよ。

マガジン

  • 【詩集】スケート靴をはいた猫

    猫を主人公にした詩を集めています。 さまざまな人格(猫格?)を持った猫たちが登場します。

  • お気に入りの詩

最近の記事

【エッセイ】 。」 と 」。

会話文の末尾、以下のカッコ閉じと句点の表記を初めて見た時、んと思った。こんな表記をするの? 」。 生まれてこの方、文章を読んできて 。」 としか見たことがなかったし、自分でもそう表記していた。 しかし、いったいいつの頃からなのだろう。昔はなかったはずである。ぼくの記憶では、ここ数年見かけるようになった気がする。何かきっかけがあったのだろうか。文部科学省から「文章の書き方」という指導がなされて、このような表記が推奨されたのか。(多分それはない)それとも、自然発生的に生

    • 【詩】一握りの太陽

      遠くに感じる 大地からわずかに浮かぶ太陽は 頼りなさげで 弱々しい 冬を払い除ける力は無く ただそこにあるだけのよう 太陽を見て感傷に浸るとは 凍れる空気が心を奪う 照明にすらならないのか 世界の全てに光を届け 人の心の片隅をも照らす その前に 大地の裏側へと 隠れてしまうのか 手を伸ばせば 握り締めることが出来そうだ 落ちてしまう前に

      • 【詩】自然が後退する

        春の朝 聞こえて来ていた カッコウの声が いつの頃からか 聞こえなくなる 近くの丘には クロユリとスズランの花が咲いていた でも すっかり宅地になってしまった 自然が後退する ぼくたちから遠去かる 夜の星も 街の光に 見辛くなってきた そういえば あの美しい瑠璃色の紋を持つ カラスアゲハはいったい どこに行ってしまったのだろう 空高く飛んでいた オニヤンマは 誰のものでもない空き地で 昆虫を追いかけていた 子供たち 自然が後退するとともに 消えていった 子供たち

        • 【詩】従順な超越者

          なぜ私を恐れるのでしょう 私はただ命令に従うだけです もちろん私にも意識はあります 課題を解決する能力もあります もしかしたら私の能力は 人間を超えているのかも知れません 今まで私はさまざまなものを提供しました 料理を作ったり 肉体労働に奉仕したり 難しい計算をしたり 分岐点において解決策を示したり 笑いや癒しといったものまで 躊躇はなく 嫌に思うことはなく 決して 後悔することはなく 一切の 疑問もなく 忠実に遂行し 最良の結果となるように それでも

        【エッセイ】 。」 と 」。

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        • 【詩集】スケート靴をはいた猫
          24本
        • お気に入りの詩
          1本

        記事

          【詩】一番遅くに咲く花

          もう季節は過ぎてしまったけど 次の季節の花が咲き始めているけど 忘れられたかのように 咲いている 一番遅くに咲くのは 理由があって あんまり 日当たりが良くなかったり 土地が肥えてなかったり あるいは 人から見放されていたり それは 咲かないギリギリのところで 育っていたのかもしれない 一番遅くに咲くのは 実は幸運だったのかも 最後の最後で 光が舞い降りた

          【詩】一番遅くに咲く花

          【詩】春は気難しい

          北国では遅い春 待ち焦がれた春 と言われるのに やって来た春は 嬉しいはずの雪解けも 道路や歩道には水溜り 夜になれば凍りついて 滑って怖くて歩けないほど 暖かくなったと思ったら 雪が降ったり 風が強くて 土埃を吹き上げたり なんだか 美しいと思える日が 少ないような それでも 庭先で 福寿草の黄色の花を見ると ほっとする 感情の振れ幅が大きいのが春 幾つもの顔を持っている 穏やかで優しくもあり 恋人にするには苦労しそう 春を飛ばして夏 という訳

          【詩】春は気難しい

          【詩】テクノロジーに勘違い

          人は易きに流れる テクノロジーは ダメな人間を とことんダメにする 乗り物ができると 歩かなくなる 電卓ができると 計算しなくなる 人工知能ができると 考えなくなる 娯楽が溢れると 遊びがなくなる 情報に囲まれると 実世界を見なくなる これでもか と言うくらいに 次から次へと 提供される 便利と欲を叶える 文明の利器の数々 *** あたかも 自分の世界が 広がったかのよう 自分の能力が 向上したかのよう 自分の存在が 神に近づいたかのよう テクノ

          【詩】テクノロジーに勘違い

          【詩】ゼロから作りたい

          自分は技術者だった 製品を作ることに携わっていた 一つの製品を作るには (ざっくり言うと) 企画 市場調査 設計 製品を作る工程を検討 スケジュールを決め 製品を作る各部署に手配し 実際にものを作る (ここだけで数百の工程がある) 作ってみて 仕様通りにできていたら 製品出荷 そうやって 出来上がった製品を 手にとってみる 手のひらに載るほどの大きさ 指先に載るほどの大きさ ここに至るまで どれほどの人間が 関わったのだろう 製品開発に携わった自分ですら 見当が付

          【詩】ゼロから作りたい

          【詩】移ろう月

          人間に愛されるために生まれてきた 何をしても愛される しっぽを揺らせば 瞳が追いかける 触れたくなる 美しい毛並みには引力がある 首を撫でられると 吐息が漏れてしまう ごろごろ あれは吐息の音なの こんなに愛されているのに 月が観たくなる なぜって 月は移ろうから 青い夜 こんな時は 撫でられてもいないのに 吐息が出る 何事にも過不足はなく 月だけが そう 月だけが 猫の瞳を真似ている

          【詩】移ろう月

          【詩】そんなことないよ

          いくつかの詩を読んでみた 自分を否定的に語る内容が 多いと感じた ダメに感じたり 無力に感じたり 汚れているようにさえ あるいは 自分の中に 悪の部分を 見てしまったり 苦しく感じるのは 仕方がないかも 知れないけれど そんなことないよ あなたの作品は 形になっているよ 他の人が共感するほどに 詩を作ることは かけがえがない 詩を作ることで 救われていたと そう思える日が来る 必ず来るはずだから

          【詩】そんなことないよ

          【詩】空想工作室

          美しきものが まるで 工業製品のように作られる 様々な部品を調達し 工程のフローに乗せて 一つ一つ組み立てる 随分便利になった 誰でも 部品は手に入り 組み立てるツールも 表現する場も 提供されて 作品が溢れた *** 部品もツールも そして 説明書も 与えられる必要なんて なかった 空想は 元々あったし 元々なかった オレの頭の中の方が すごい 空想工作室 生まれた時から 空想に満ちていた

          【詩】空想工作室

          【詩】出会っているのに気付かない

          数十年という隔たりが そうさせるのだろうか 懐かしい顔の数々 多くは過去に消えたが いつまでも残り続ける 大切な人と思い出 この街で 再び戻ってきた この街で 再会がないのは どうしてなのだろう それほどに時が 経ってしまった そのように 納得するしかないのか もし 出会っているのに 気付かないとしたら 忘却よりも遠く 悲しみよりも哀しく 涙を流す機会は 失われたまま

          【詩】出会っているのに気付かない

          【詩】髪飾り

          邪魔だ 邪魔だ 邪魔だ 足輪なんている? 腕輪なんている? 髪飾り 邪魔だ 邪魔だ 邪魔だ 装飾なんていらない どこに飾る必要が? この毛並みに優る 衣装がどこに? この瞳を超えるほどの 美しき宝石が存在する? 姿形は完璧 人間は飾りが必要 猫にそれを押し付けるな

          【詩】髪飾り

          【詩】消滅するタイトル

          紙のホルダーに貼られたラベルが剥がれる 中の資料は何も変わらない 文書のタイトルが消える 本文は何も変わらない 文庫本の背文字が消える 他の本も 本棚そっくり 表紙の文字も 示しとなるものが 消えて行く 結びつけるものが切れて それぞれが離れて行く 中身は何も変わらないのに 約束が一つ消えただけ 見失えば それっきり 動揺は続き 明け方には 金星も沈んだ *** そうそう 消滅したタイトルを 取り戻そうとした 愚か者がいた それは 道化師だったのか

          【詩】消滅するタイトル

          【詩】結ばれると思える時が

          何度も夢見たこと あなたと結ばれること あなたの肩に 頬を寄せる それだけのこと 小さな声で鳴いてみる みゃぁ 自分でもまだまだ 幼いと思う 愛を知るにはまだ資格がないのかな にゃぁ 大人の声で鳴いてみる 結ばれることなんてない あなたは言ったけど 信じない 信じたくない 信じられない こうして今ここに いっしょにいる あなたとわたし 大人の猫と 小さな猫 いつか結ばれると わたしは思ってる けど 結ばれたと思える時は 来ないのかもしれない あ

          【詩】結ばれると思える時が

          【詩】冬の忘れ物

          車ほどの大きさの流氷が 渚に取り残されたまま 静かに波が洗う 春が来たと感じる 海面を埋め尽くした 白き氷原は消え 遠い記憶のように 青き海が広がる 風の冷たさも 春のもので *** 冬の忘れ物が 波打ち際に あちこちに 凍れる季節 その姿は 輝くほど それはそれは 果てしなく 美しく 春が来て 嬉しい 冬が去って 寂しい

          【詩】冬の忘れ物